上州赤城 鈴ガ岳ハイク
今日は体育の日であり、そして私の誕生日である。中高年と言われる年齢になって始めた山歩きが楽しくてしょうがない。先日の谷川縦走では生憎の天候で展望に恵まれなかったため幾分欲求不満である。足の疲れがまだとれないため、身近で展望、紅葉の楽しめる「上毛三山」の雄、赤城山鈴ガ岳に登ることとした。天気予報では、全国的に快晴とのことで展望に期待しての日だまりハイクです。
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【登山日】 1995年10月10日(火)晴れ時々曇り
【山 名】 上州赤城 鈴ガ岳(1565m)
【同行者】 単独
【行 程】 鈴ガ岳登山道入口…鍬柄山…大ダオ…鈴ガ岳……大ダオ…鍬柄山…登山道入口
0820 0855 0920 0950-1030 1055 1115 1150
【地 図】 赤城山 1/25000図、群馬県の山
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全国的に快晴との予報にしては、我が家から眺める赤城鍋割山は霞んで全く見えない。もう少し時間がたったら晴れてくるんだろうと勝手に解釈し出発する。以前は赤城山の道路は有料であったが、今は無料になっている。つづらおりのカーブを黒煙を吐いて走る4WDの後ろにくっつき走る。まだ紅葉は早いようだ。路面には沢山のタイヤ跡。ここはライダーも多いコースである。飛び出しに注意し安全走行を心がける。なにしろ私は昨日の免許証更新で「ゴールド免許証」になると知ったばかりである。とにかくゴールド免許証を汚してはならない。
登山口には一台の車、女性の二人連れである。挨拶を交わし相前後してのぼり始める。遠方はガスで山容は望めない。山の天気は変わりやすい。青空が見えたと思うとすぐガスがでてくる。登山口付近は深い笹をかき分け場の柵沿いに進む。前半は笹が胸あたりまでありルートはしっかりしているものの、子供は歩きにくいだろう。雨の時もいやだろうなと思いつつ進む。白樺やミズナラの緩やかな樹林帯の中を進む。落ち葉踏む音が快適だ。
やがて展望の良い姥子山だ。赤城山全体が見渡せる。荒山、鍋割、地蔵岳がよく見える。遠景はガスで見えない。木々の紅葉は今ひとつである。少し下り僅かで鍬柄山だ。大沼、赤城最高峰の黒檜山がよく見える。地蔵岳の巨大なアンテナ群も見える。ガイドブックでは谷川岳、上州武尊山が見えるとあるが残念ながら今日は遠景は望めない。ここからツツジのトンネルだ。花の時期は綺麗だろうなあ、葉っぱは赤く色づいている。急な下りも僅かで大ダオと呼ばれる鞍部だ。
ここは「鈴ガ岳自然環境保全地域」であり、大ダオの看板にはこの山の植生についてこう記されている。
「ミズナラ、ダケカンバ、シラカバ、アズマシャクナゲの天然林、低木層としてアカヤシオ、サラサドウダン、アズマ、シャクナゲ、レンゲツツジ、草木層としてハクサンフーロ、ヤナギラン」etcがあるそうだ。またカモシカも生息しているらしい。いつまでもこの自然を大切にしたいものだ。
これから急な登りが続き、大きな岩が現れる。今日一番の難所と言っていいだろう。しかし、慎重にゆっくり歩けば何ら問題ない。道の側には所々小さい石碑がある。そして、ようやく鈴ガ岳頂上だ。かって信仰の山だったということで大きな石碑が鎮座している。山頂からの展望は遠景が靄のため全く見通しがきかない。持参したビールは何となく味わう気分でない。やはり沢山の汗と真っ青な青空、強い日差しが無いと……これからの季節は温かいものがいいなあと、ひとり静かに温かいコーヒーを味わう。だーれもいない。静かだ。すぐ近くまで見知らぬ小鳥が近づいてくる。やがて二組のパーティーが登ってきて静寂が破られた。ここで下山開始。同じ道を下る。
途中、鍬柄山でアマチュア無線をやっている青年がいた。50MHzでCW交信中である。今日はコンテストとのこと。以前は、私もよくこうやって山頂から交信したものだ。健闘を祈って登山口をめざす。途中犬を連れ登っている家族連れと遭遇した。藪の中から現れた犬にはビックリした。左右とも笹藪でよけることも出来ず閉口した。飼い主にしっかり押さえてもらい、私は藪をかき分け無事通過する。飼い主としては犬連れで楽しいんであろうが山にまで連れて歩くのはいかがなものであろうか。
とにかく、12時前に下山できた。時間も早くこれから、大沼、小沼あたりで写真撮影でもして帰ろうかと思ったが観光客で凄い車の量だ。帰りの渋滞が予想されるため早々に帰路につく。途中赤城名産のとうもろこしを土産に購入する。こうして記念すべき誕生日の一日は終了した。
山頂まで約1.5時間と少し物足りない感じではあるが、それなりに起伏があり岩場、落ち葉、紅葉、展望と気軽に登れる日だまりハイクにはもってこいの山である。赤城はやっぱり素晴らしい。しかし最近の山行は展望に望まれない。次回は息子と奇岩&紅葉の妙義山を計画中である。
