赤城山 大冒険
黒桧山(1,828m)
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今年最後の山行は谷川岳?と思ったが、天気が悪そうとの予報で諦めた。しかし翌日のんびりと目覚めてみると、なんと快晴!谷川岳はもうこの時間では遅い。ならば地元の赤城山へ登ろう
02年12月31日(火)晴れ 単独
北登山口…猫岩…黒桧山頂上…駒ヶ岳への鞍部…谷沿いに下る…北登山口
0940 1045-1135 1240
箕輪駐車場あたりから道路は凍結していた。高度を上げるにつれ路面に雪が増える。慎重に曲がりくねった道を運転し北登山口に到着。準備をしていると単独のおじさんがやってきた。年末の忙しい日に山に登る人も居るんだなあと自分のことを棚に上げて感心する(^^;;;
コースの積雪はそれほど多くなく良く踏みしめられている。しかし念のために今日はカンジキ、6本爪アイゼンを持って登る。猫岩あたりからは凍結した大沼の湖面が輝いている。高度を上げるにつれ樹氷が美しい。木々の間からは谷川方面の景色が見えるようになってくる。中腹位で単独のおじさんが下山してきた。「いやあ、今日は最高の登山日和、良い年末になりましたね」と挨拶を交わす。そしてひと登りで駒ヶ岳の分岐に到着。ここから山頂まではすぐだ。誰もいない山頂で記念撮影。そして少し北側の展望の良いポイントに向かう。
猫岩付近から鈴ケ岳方面を望む 山頂はもう少し 駒ヶ岳への分岐 静かな山頂
谷川連峰から尾瀬方面の展望が素晴らしいところだ。しばらく展望を満喫する。小さな石祠があったので、今年一年の無事を感謝し、新年の安全山行を祈念する。そして年末であわただしい時を過ごしてるであろうTさん他いつもの山登りメンバーに羨ましがらせメールを送る。その後、気分は新年山行に思いを馳せ、北八ツの高見石小屋に携帯で予約を入れる。年末山行はこんなにいい天気だ。たぶん新年山行も晴れることだろう。休憩しているうちに2人登ってきた。そして山頂に戻ると3人が休憩していた。この天気だが、やはり今日は登ってくる人は少なそうだ。
北側のピークから望む谷川連峰の山並み。真ん中あたりが谷川岳。手前の白い山は小黒桧山
快晴だった空、しかし駒ヶ岳方面の東の空に厚い雲が漂ってきた。 しかし尾根沿いの西側は快晴だ。予定通り駒ヶ岳経由で下ることにして出発。登りでは厳しい丸太の階段も、今日は中途半端に雪に隠れている。このくらいの雪は以外と歩きにくい。引っかけて転ばないように慎重に下るここから眺める山頂方面はまだ厚い雲がかかっている。はたしてあのあたりに到達するまでに雲は晴れるだろうか?。そして鞍部に到着。ここで思案…
予定では駒ヶ岳経由で下り道路を歩いて登山口へ戻るコースだ。でも徐々雲が出てきて展望もあまり期待できない。ここからいったん登るのはしんどい。それに道路歩きもねえ…せっかく持ってきたカンジキを使ってみたい…西の方は天気も良いし、「よし、ここから近道してちょっと冒険を楽しもう」と決定。尾根から外れ急な斜面を下る。トレースのない急な下り。こんな所下ろうという変わった人はいないのだろう。
どこを見てもトレースはない。雪は膝から多いところは股下くらいまである。しかし下りはラクチン。むしろ油断するとズルズルッと滑り落ちてしまいそうな急坂だ。トラバース気味に徐々に高度を下げる。一気に下れば谷に降りれるが、そうすると、吹き溜まりの深い雪に阻まれそうだ。それに雪崩が怖い。少し進むと崖となり進退窮まる。ここらがトラバースの潮時だろうと、谷筋に下ろうとしたが、大きな岩に阻まれる。左手は凍結した急斜面。コースを探しどうにかクリアー、そして急な下りを木の枝に掴まりガレた谷におりた。見上げると黒桧方面の青空が見える。
樹氷 谷筋へ下る ひとやすみ
なんか今にも熊が出てきそうな不気味な感じがする。今の時期は冬眠しているだろうと思うが、念のために笛を吹きながら下る。そして斜度も緩くなり深い雪に足を取られるようになる。いよいよカンジキの出番である。左右の斜面を慎重に見ながら下る。なだらかな樹林帯となり見上げると猫岩方面が見える。少しでも車に近づこうと右手方向に進む。そして道路が見えた。車まで1分くらいのところだった。
こうして今年最後の山歩きは終了した。輝く雪原、誰の踏み跡もない。赤城でもちょっとコースを外せば、まだこんな気持ちよいところがあるのだ。
さて、明日は初日の出は見えるのだろうか、ちょっと天気が気がかりである。