
2002年8月26日 夜明け
さあ、待ちに待った日本一の山頂からの御来光です!!
この微妙な色の変化は何とも形容しがたいです。カメラで写しても本当の素晴らしさは表現することができませんね。やっぱり山頂で見るのが一番です。
まだまだ登って来る人はいるが、もう間に合わないと判断し途中で立ち止まり皆が東の空を向いている。厳かに太陽が煌めきを伴い雲の間から顔を出した。8月26日の夜明けです。皆からバンザイ、バンザイと声が挙がる。静かに何か祈っている人がいる。待ちかねたこの瞬間、人は何を思うのか、何をめざしてこの山頂にやってきたのか…皆、日本一の爽やかな笑顔だ。
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バンザ〜イ |
やったね、フジヤマ 日本一 |
いやあ、良かったねえ。さあ、帰ろう |
日の出まであんなに沢山いた人達が蜘蛛の子を散らすように思い思いの方向へ散らばっていった。忙しい人は「さあ、下りますよ〜」とガイドさんに急きたてられている。のんびり組は今から御飯のようだ。立ち去りがたく空を眺める人がいる。我が輩もしばらく余韻を楽しんだ後、オーバーズボンを脱ぎもう一つの目標である剣ケ峰をめざす。時計方向に回る。時間があったらお鉢巡りも堪能したい。途中テレビの放映準備をしていた。
火口を覗くと引き込まれそうな感じだ。富士山は休火山だったかなあ?まだ山としては幼年期の山であり、いつどこから活動を再開しても不思議ではない山とガイドブックにあった。大日岳、伊豆岳、成就岳を過ぎ、わずかだが急な砂礫の斜面を登ると、本当の日本一の最高峰剣ケ峰、3,776mだ沢山の人出で三角点の場所は記念撮影の順番待ちだ。いやあ、凄いねと感心していると次から次に「すみません写して」と声がかかる。5人ほど写したあとようやく順番が回ってきた。ギャラリーが多くちょっと恥ずかしい(^^;;;
記念撮影も無事終了。また写してと頼まれる前にそうそうに場所を譲る。そしてやっと周りを眺める余裕が出た。すると、三角点より高い、ここがほんとのほんと、一番高いところだよって感じでペンキマークがあった。なるほどここが一番高いようだ。
今このとき、日本で我が輩が一番高いところにいる。やったぞ〜と小さくつぶやく\(^0^)/
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剣ケ峰へ 滑って歩きにくい |
三角点地点にて |
ここがほんとの最高地点 |
気象台の階段を上がり裏手に回ると、影富士が映っていた。遠方には南アルプス方面の景色が広がっていた。さて、日本一の山の展望、雰囲気は十分満喫した。お鉢巡りどうしようか?まずは家で待つ妻に電話。富士山山頂だよ〜っと。まだ6時過ぎ、朝早くからごめんね(^^;;; 陽射しも強くなってきたので雨具を脱ぎ半袖になる。6度位だった。
時計を見る。まだ早い。よしお鉢巡り決行だ。いったん少し戻り時計方向に回る。火口に沿ってのコースは通行止めになっている。外輪沿いに歩く。振り返ると剣ケ峰が意外と険しく見える。見る場所によって色々と景色が変わる。第二の高さを誇る白山岳はちょっとコースから外れておりパス。九須志岳はだだっ広い山頂だ。立派な展望台があった。そしてわずかで御来光を仰いだ山小屋の前に到着。「富士山しか売ってないよ〜」の声に誘われて籏とキーホルダーを購入した。籏にはスタンプ、キーホルダーには日付の刻印を刻んでもらった。
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久須志岳から望む剣ケ峰 |
大日岳方面から望む山小屋 |
成就岳を下る |
そして下山口である銀名水へと進む。これで1.5周したことになる。グングンと気温が上がり11度くらいになった。さあ、御殿場口目指して下山だ。最初はガレの多い登山道を下る。こちらの登山道はず〜と下まで見通せるが樹木が全くない。ただひたすら下る。途中の山小屋で先ほど見たテレビ中継が始まっていた。今年はなかなか良い天気に恵まれなかったが、今日は最高!と言っていた。途中ブルドーザーが登ってきた。驚きだ、山小屋の食事や商品を運んでいるんだろうか?
そして七合目を過ぎると、少ししていよいよ大砂走りだ。最初は少し大きな石ころもあったが、そのうち小さな砂利となり砂煙を巻き上げてグングンと下る。若者が4人、競争するように走って下り去った。何度かゴロンと転んでいたが、笑い声が絶えないほど楽しそうに下っている。それにしてもどこまでも続く砂地の斜面。最初はグングン下っていたが次第にくたびれてきた。いったいどこまで続くのだろう…
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御殿場口、最初はこんな下り |
大砂走りの始まりだ!豪快 |
こんな道、どこまで続く? |
ひたすら下る。そしてようやく五合目に到着。いやあ、長かった。この新五合目は標高約1,400m。須走口の方は2,000mだったから、同じ五合目なのにねえ…と思った。下ってみて思った。この登山コースを登りに使う人は殆どいないだろうなと…
バスまで約二時間も待たなければならなかった。ベンチでうとうととしながら「富士山、登ってみると以外とおもしろかったなあ。さすが日本一の山」と思った。
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