マンサク咲く石尊山から仙人ケ岳縦走
1997年2月23日(日)晴れ
冬枯れの山にいちはやく春を伝えるマンサクの花、昨年は残念ながら見れなかったので今年こそはと仙人ケ岳をめざした。昨日の降雪、強風で心配であったが、風も雪も殆どなくそして好天に恵まれた日だまりハイク気分であったが、最後に道を見失い里山の藪こぎも楽しめた?一日であった。
登山口……石尊山…深高山……猪子峠…犬帰り…仙人ケ岳……高萩山…白葉峠…御嶽山…登山口
0850 0940-45 1010-20 1045 1150 1300-1400 1555-1610 1625 1645 1735
赤城の山々は先日の雪で真っ白く化粧している。赤城も良かったかなあと車窓に眺めながら桐生市を過ぎ小俣駅から僅かで登山口に到着。先着車が2台。鬱蒼とした樹林帯を10分程登ると「女人禁制」の石柱がど〜んと構えている。その前で二人の女性が記念撮影している。そこから、ちょっとした岩場の歩きである。振り返ると赤城山が輝いて見える。浅間山も綺麗だ。桧から雑木林や松に変わり春にはツツジが楽しめそうなところである。そして古びた奥社を過ぎ見晴らしを経て山頂に到着。日光男体山、白根山、皇海山が見え始める。遠く富士山も見える。山頂は何の変哲もない尾根の続きと言った感じだが気持ちの良いところだ。
これより快適な尾根歩きで僅かな上り下りを繰り返し深高山をめざす。北方面に見える仙人ガ岳はまだまだ遠い。メジロやコガラが囀っている。東の方には筑波山も靄の中に浮かんでいる。この辺りマンサクの花が咲いている。結構咲いているが、割と枝が高くうっかりしてると見逃してしまいそうだ。もう少しびっしりと咲いているかと思っていたが花弁も小さく余り目立たない。でもよく見ると花びらはちょっと変わった形である。下から見上げて青い空に浮かぶ黄色い花は可憐だ。そして深高山到着、日光方面の山は木々の間からようやく望める程度であるが、足利方面は開けており行道山はばっちりだ。
ここまで積雪は深いところで2〜3cm位だが日当たりもよく、無いところが大部分だ。山頂で鳥の声を聴きながらコーヒータイム。そして急坂をロープを頼りに下る。雪はないが枯れ葉で滑る。そして猪子峠着。ヒノキの樹林帯で暗いが、すぐに雑木林となる。仙人ガ岳迄2時間15分とある。かなりの行程だ。右手にダムが見え始めると登りも緩やかになり岩場の尾根歩きとなる。大きな岩に登ると石尊山からの山並みがばっちり見える。仙人ガ岳、赤雪山、榛名や赤城、秩父連山、袈裟丸、皇海山と好展望である。富士山は靄ってきてうっすらとしてきた。ヤマガラがすぐ近くで囀っている。
そして犬帰りの岩場を慎重に登り、これからは宗の岳、知の岳、重の岳とかなりのアップダウンである。疲れたあ〜、あと少しかなあと思う頃、熊の分岐で後20分とある。元気を振り絞り山頂をめざす。ピークにでると以前あった前仙人の表示板がポールだけとなり無くなっている。やはり間違いに気付いたのであろう。昨年登ったとき山頂であれは間違いだよねと話の種になったことを思い出す。そして数分で山頂だ。数組の人達が展望はないが明るい樹林帯で気持ちよさそうにくつろいでいる。ここで遅めの昼食、今日は長丁場のためビールは無し。ココアでくつろぎ、卵、餅、揚げいり味噌うどんが空腹に心地よい。暖かい木漏れ日に小鳥の声を聴きながら横になっていると寝てしまいそうだ。
しかしまだ先は長い。前仙人方面への下りでマンサクが数本咲いていた。ここ辺りも赤城山の眺めは見事だ。そして県境の「分岐点173」の標柱から南に連なる尾根を白葉峠方面に下る。分岐には去年無かった表示板がぶら下がっていた。ここからの尾根歩きは昨年二回通って二回とも途中で間違えたところである。今日も嫌な雰囲気…こちらは今日は誰も歩いてないようだ。僅かの雪でもトレースが無いのは気持ちよい。桐生市「基準点99」の標柱で右、そして「92」を西に折れる。ここら辺りは反対方向にも踏み跡があり迷うところだ。今日は今のところ順調だと思っていたところ、ヒノキ林の伐採で踏み跡が分からなくなってきた。雑木も伐採されており歩きにくい。とにかく尾根を外さないように歩く。
少々不安になってきたが右手に赤城山、吾妻山が見えており大丈夫みたいだ。しかし途中で見かけた「基準点86 443.1m」の表示でまた不安になる。地形図上でその標高の位置がつかめない。まあいいやとそのまま歩き続けていたら高萩山に到着。見晴らしはないがコースに間違いは無いことが分かりホット一安心。ああ、良かったと紅茶タイム。今日は飲み物が豊富だ。ここでは沢山のエナガが出迎えてくれた。そして急坂を滑るように下り、少しの藪こぎで白葉峠の林道に出る。林道を歩くのもかなりありそうだし、どうせならもうひと山と御嶽山をめざす。雑木林の中、最初は踏み跡も明確であったが次第に不明確になってくる。でも大丈夫、山頂は見えている。急登を登ると山頂、石祠と石像がひっそりとたたずんでいる。展望はない。
ここより城山方面に下山しようとするが途中でまたもや道が不明になる。こちらはかなりの藪だ。歩きやすい所を選んでそれらしい方をめざすがかなりしんどい。支えにした木の棘や、跳ね返りの枝、枯れた倒木、蔓に閉口する。と、下方に家らしきもの発見、よく見るとゴルフ場だ。地図で確認。かなり外れているが方向はあっていたようだ。ヤブをかき分け急坂を下る。そして誰も居ないフェアウエイに寝転がり落ちてゆく太陽を眺める。ちょっといい気分。でも日が暮れたらやばい。城山は断念(といっても道が分からない)し、とにかく尾根に出ようと6番ホールから樹林帯に入り登り始める。そして尾根に出る。
遠くに道路が見える。双眼鏡で覗くと不動尊の登山口が見える。しかしまだ先は長そうだ。竹や雑木のヤブは本当に進みにくい。でも目的地が明確になったので足取りも軽い。と、突然ガクっと穴に落ち込む。少々膝をひねったようだが大事にいたらずほっとする。何だろうとよく見ると山芋でも掘った穴であろうか、枯れ葉で埋もれて気が付かなかったのだ。その後は用心して歩くが数回落ち込んだ。まったく、掘ったら埋め戻してもらいたいものだ。
ようやく車道に出て自販機で清涼飲料水を買いグイっとひと飲み。長かったなあでも満足。里山はこれだから面白い