新緑はもう少し 根本山から三境山
1998年4月11日(土)晴れ

もしかしたらアカヤシオに出会えるかも…と新緑を求めて先月雪で苦戦した根本山沢コースを歩いてきました。

【行 程】 三境山林道分岐…沢コース…根本山神社…根本山………三境山…登山口
       0850                1015    1055-1125   1340-1430  1625


 先日の雪の中、鎖を掘り出して苦難の末登りついた根本山沢コース、今度は新緑の頃アカヤシオでも求めてと思い、ちらほら聞こえる花便りに気もそぞろで出かけてきました。しかしまだ新緑にはちょっと早かったような…

 沢では相変わらずミソサザイの大合唱、水浴びも見ることができた。約一ヶ月ぶりの登山道は全く雪が消えていた。あのとき迷った道も今日は明らかだ。いやあ、ここは雪で全く見えなかったよな、ふ〜ん、こっちが正規の道だったのかと先日の苦難を思い起こして感慨も新ただ。そして鉄ばしごを過ぎ神社の下に到着。左手から回り込み一本の鎖場を得て楽々神社に到着。先日の苦労は何だったのか(^^;

 ゴーンと鐘を突き神社に参拝、よく見ると結構凝った作りである。暫しじっくりと鑑賞する。そしていよいよ鎖場、雪が無くても結構急な登りである。改めて雪の時の歩きを思い出す。良く登ったよなあ、あのときは…
 そして鎖場上の石宮、振り返れば日光男体山、女峰山、太郎山、白根山が目に飛び込んできた。今日は好展望だ。風もなく暖かい。そこからは快適な歩きでいったん鎖で下降し程なく雑木林に囲まれた根本山山頂着。静かだ。雪は全くない。十二山方面から単独行氏到着、いやあいい天気ですねと話が弾む。先週袈裟丸山の群界尾根から歩いたが積雪多く途中で断念したとの事、まだまだアカヤシオは先みたいだ。

 静かだった山頂も次々と到着する人達(8人)で賑やかになってきた。ではお先にと紐で通せんぼされたコースに踏みいり三境山をめざす。気持ちよい稜線歩きもわずかですぐにかなりの急登、ガイドブックでは踏み跡もわずかとあったが境界杭を目印に割と明確な踏み跡があった。山肌のトラバースでは二カ所ほど鎖もあった。
最初は雑木林の明るい歩きで北の方には木々の間から日光の山々が見えていた。そのうち左側はヒノキの植林帯となりちょっと暗い雰囲気が続く。小鳥の声は賑やかであった。こまかいアップダウンが続き結構疲れるコースだ。いい加減疲れてきた頃このコース初めて三境山への表示があった。境界杭を目印に歩いていたので心配はなかったものの表示を見てほっとした。

 少し進み前方に割ととがった形の良い山が見える。たぶんあれが三境山であろう。ここまでは目標も見えず展望もなくアップダウンの連続で疲れがどっと出ていたが、ようやく元気がぶり返してきた。途中わずかであったが野峰から丸岩岳、熊鷹山の稜線が見えた。あっちの方が気持ちよい歩きができるなあと思った。
 そしてようやく小さな石宮のある山頂着、とがったピークに見えていたがわりと広く明るい雑木林だ。木々の間からは袈裟丸、皇海山、日光白根。反対側には野峰方面のなだらかな稜線が気持ち良い。もうここからは下るだけ、根本山で我慢していたビールでのどを潤す。ああ、うまい…幸せな時間だ、しばしお昼寝タイム…

 さあ、ぼちぼち下ろうか…ここから今までになかったような石ころのある下りがわずか続く。かなり急だ。しかし道はわかりやすい。そして鞍部に到着。地図ではもうすぐ左に折れるはずだが…しかし道はない。おかしいなあと思いながら登りに入った。時間的にもちょっとかかりすぎのようだ…う〜ん見過ごしたかなあ…よしあのピークまで行って考えようと登りついたところに木にくくりつけられたビニール袋に「沢を経て石鴨へ」とあった。一安心…ちょっと地図は間違っているようだ。そして暗い樹林帯をわずかで抜けると右手が伐採された好展望のところにでた。遠くには桐生ダム、前方には野峰の丸っこい山頂からの稜線が続いている。しばし、でっかい切り株にすわって「う〜ん、ナイスビュ〜」

 ん、足下に…もしかしたらカタクリの葉?そして更に下り始めたら結構多く見える。踏みつけないように慎重に下る。コースは木の幹にかすかな白ペンキで確認できた。そしてつんとすました一輪のカタクリ。やった〜、目を凝らせばところどころ花が咲いている。アカヤシオでも撮ろうと頑張って持ってきた三脚、交換レンズがようやく出番である。しかしかなりの急傾斜、なかなかベストポジションを確保できない。こっちの方が綺麗だなあ、いや、こちらの方が光の加減が…とようやくお気に入りを見つけた。

 思いがけないカタクリの出現の喜びも束の間、ちょっと道がわからくなってしまった。でも地図では沢沿いとなっており、迷わず沢をめざす。この辺りから杉林となりところどころ倒れた木で道をふさがれるがヨイショと乗り越え下る。そして程なく三境林道と思われる所に到着。林道歩きを避けそのまま沢沿いに下りる。途中暗い樹林の中に、ぼ〜と白っぽいものが見える。何だろうと近づくと初めて見る花…めずらしいのでまたまたカメラの出番(帰宅後図鑑で調べたが?ミツマタ?)
 沢ではミソサザイが賑やかになってきた頃石鴨の林道に到着。ここから1kmほどで駐車場に到着。

 お目当ての新緑、アカヤシオにはこの辺りはまだまだだったが、自然のカタクリに出会えたのは収穫であった。帰路桐生ダムの近くを通行中、なにか変なものが道路を横断した。ん、もしかしたら…路側に止め双眼鏡でみるとなんと綺麗な雄のキジがのんびりと歩いていた。以外とのんびりしていて車を降りてじっくり見ることができ、最後に素晴らしいおまけ付きの山行であった