シャクナゲいっぱいの奥袈裟丸山
2002年5月19日(日)晴れのち曇り

 八重樺原から望む袈裟丸山
八重蒲原から望む袈裟丸山(右の雲のかかった山が前袈裟丸山)

 カラマツの新緑、そして緑の笹原、シャクナゲ、シロヤシオ、そして山頂付近に咲くユキワリソウ…すがすがしい初夏の陽気に誘われて歩いてきた。このやえかばはらの爽快感はなんともはや心地よい。しかし最初の丸太の階段と最後の登りは急できつかった。

【山  名】  奥袈裟丸山(1,908m)
【メンバー 】  ひろ&よし
【行  程】  郡界尾根登山口…八重樺原…石祠…奥袈裟丸山…八反張鞍部
        0908→         0955  1053   1230-1300  1310
        1620←         1545   1507   1350       1320
【地  図】  袈裟丸山(1/25,000図)


 袈裟丸山は今が旬だ。先週は弓の手コースで小丸山迄歩いた。そちらはアカヤシオやミツバツツジが多い。
一方郡界尾根のこのコースはシャクナゲが有名。シロヤシオも多い。そしてなんと言っても八重樺原のなだらかなコース、新緑時は魅力的だ。紅葉時期は歩いたことはないが、たぶん素晴らしい紅葉だろうと思われる。

 そんなコースを妻と二人で歩いた。前夜まで「疲れたから…」と渋っていたひろではある。しかしHPで見た「花がいっぱい、気持ち良いよ〜etc」の話をしたところ、同行することになった。先週の膝の痛みも良くなったようだ。我が輩もまだ全快とはいかないが、まずまずの調子に戻ってきた。前にこのコースを歩いたのは1998年、やはり5月だった。その時の印象は八重樺原が気持ちよかったなあと言う程度しか覚えていない。シャクナゲはちょっと遅かったが今年はどうかなあ…それに登山口までの林道、悪路の連続だった記憶がある。

 そんなことを思い出しながら大滝を過ぎる。このあたりは緑がまぶしい。前日が雨だったこともあり、その新緑がさらにあでやかになっていた。舗装されていない林道に突入した。やはりでこぼこ道は腸捻転になるのではないかと思われる道だった。でも以前よりはかなり楽になった感じ。わがパジェロイオが頑張っているからだろうか?その訳はすぐにわかった。なんと途中から舗装されていたのだ。この工事の為に未舗装の所も少し整地したんだろう。そしてガードレールを取付け中であった。いやあ、悪路を期待してたのに残念。こんな山道、舗装する必要があるんだろうか?疑問である。そのうち荒れてきてまたお金がかかるし、落石もあるし…それにそんなに利用が多いとも思えない。
我が輩としては、こんな山奥はやはり悪路が好きだ。

登山口 さて舗装が終わるとまた悪路が少し続いた。でも、なぜか気分をそがれた感じだ。そして登山口着。10台くらいは停まっていただろうか?先週の弓の手コースのように大型バスは停まっていなかった。できればバスがこれないように道は今のままにしておいてほしいものだ。準備をしていると、反対側から乗用車がやってきた。「すみません、袈裟丸の登山口はどこでしょう?」とのこと。「袈裟丸の登山口はここですけど、コースはいくつかありますが…」と答えると「賽の河原から小丸方面です」と言う。地図を見て教えてあげる。内心、地図も持たずによく来るなあと思った次第である。

 
さっそく丸太の階段 さて、登ろう。愛用の双眼鏡どうするかなあと迷ったが置いていくことにした。今日は別の秘密兵器があるのだ。それを試してみようとデジカメ、三脚といつもより荷物が多い。秘密兵器とはニコンの単眼鏡です。はたしてどこまで使えるのか、性能はどうか?使いこなせるのだろうか?と興味つつである。
 登り初めは早速丸太の階段。これがしんどい。そして延々と長い。前に来た時もこんな丸太の階段だったかなあ…記憶なんて大したことは無いなあ、思い出せないが、こんな階段はなかったような…

 
気持ちよさそうでしょう 30分ほど厳しい登りが続く。しかしそれをクリアーするとシラカバやカラマツ、そして笹原の気持ちよい八重樺原だ。遠く袈裟丸の山頂が望める。ひろは見ない方が良かったかなあ、まだまだ遠い(^_^;)。 
 でも、ここからしばらくは緩やかな登りでさわやかな歩きだ。おっ、キツツキかな?声がする。そして木をつつく音が…ここで8倍の単眼鏡の出番だ。でも、視野が狭く見つけにくい。う〜ん、やはり単眼鏡の宿命か…ピントを合わせ探すが見つからない。目視では見つけているのだが、なかなかその場所が見つけられない。う〜ん、修行が必要みたいだ。そのうちに飛んでいってしまった。

シロヤシオもいっぱい このあたりはシロヤシオが多い。まだ蕾のものもあるが、まずまずだ。今日はのんびり山行、花や小鳥を見ながら歩いていたら4組のグループに抜かれてしまった。その中の結構年を取っていると見られるご夫婦?「シロヤシオあまり咲いてないわねえ、早かったのかしら?」と言う。わが輩達は、いやあ、沢山咲いてるねえと思っていたんだが、感覚の違いか?このご夫婦、弓の手コースを歩いたとき、凄いシロヤシオの花を見てそれと比較しているらしい。まあ時期やコースによって差はあるだろうから人の感覚は変わるのだろう。わが輩達はコースをそれ、ウロウロと花のある方を歩いていたので、多いなあと感じたんだろう。

シャクナゲ 緩やかな登りが少しづつ厳しくなってくるとシャクナゲが出現する。白っぽいのや、ハッとするほど鮮やかな赤っぽい色、微妙に色が違う。石祠のあるあたりからはシャクナゲも多くなったが、まだアカヤシオもだいぶ残っていた。しかしこちらの方はもう終わり、花びらが少し色あせていた。先ほどのご夫婦が、いやあ、ここはシャクナゲが綺麗だねえと感心していた。ここから先は、シャクナゲ、アカヤシオ、ミツバツツジなど色とりどりの花を楽しみながら歩く。そして徐々に勾配がきつくなる。ひろの足が重くなり、なかなかペースがあがらない。前方からにぎやかなおばさん軍団が下ってきた。

 
山頂はまだ?ところどころにこの標識がありました「もう少しよ。この先の急登はきついけど、頑張ってね」と励まされる。そこから15分位でようやく奥袈裟丸山頂に到着した。狭い山頂には数組が休んでいた。このころは天気も下り坂、展望はほとんどなかった。もっともこの山頂、以前は木々に遮られ殆ど展望はなかった。今は木が刈り払われている。展望を見せてあげようとの配慮だろうが…まあいいか、早速ビールで乾杯。さて、今日の目的の一つであるユキワリソウを見に行こうかとひろに声をかける。「もう疲れたからいい、写真撮ってきて」と言う。やむなく一人で八反張まで下る。かなり急な下りだ。


 荒れた鞍部のあたりに目的の花は咲いていた。落ちないように気を付けながら写真を撮る。本当は、ここで単眼鏡をデジカメに装着してドアップの写真を撮ろうと思ったんだが、うまく三脚を据えられず断念。
奥袈裟丸山頂 八反張 ユキワリソウ

八反張。荒れてるので用心してね 以前来たときはイワカガミも咲いていたが、今回は見あたらなかった。時期が少し早いんだろうか?。花の咲いてるところはコースから少し離れている。結構前袈裟方面からの登山者もいたが、誰も見に寄ってこない。知らないのか興味がないのか、もったいない話だ。さてあまり長居もできない。もどろう。下りはすいすいだったが、登りはきつい。今日一番のきつさだ。ひろの待つ山頂まで戻るともう誰もいなかった。
何となく雲行きが怪しくなってきた。雨が降ってきそうな雰囲気であり早速下山開始とする。


シャクナゲ そのうちポツリポツリと雨が落ちてきて、ガスも出てきた。そして遠くの方では雷の音がしていよいよ本格的に降ってきたので雨具を着る。シャクナゲが雨に濡れてなんか生き生きしてきたように感じる。ガスのかかる中、ぼんやりと見えるシャクナゲも幻想的な雰囲気で見応えがあった。何度か、木の根っこに足を乗せズデンと転んだ。疲れのせいで足が弱っているのかなあ。それともまだ少し痛い足をかばっているのか、下りは苦手だ。そして雨も小降りとなるころ、八重樺原に到着。ここも晴れている時とはまた変わった雰囲気だ。本当ならここでのんびりとしたいところだったが、まだ天候が不安定だったこともあり急いで通り過ぎる。

最後に八重樺原です そして最後は丸太の階段の急な下り、登りもきつかったが、延々と続く急な下りは歩きにくい。塗れた丸太は滑りやすい。用心用心。もしかしたらコシアブラがあるかもと思いながらのんびりと下ったが今回は収穫なし。ひろも今日は膝はあまり痛くならなかったようで無事到着。登山口には我が愛車一台しか残っていなかった。




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