大平山〜馬不入山
2003年2月23日(日)晴れ

大平山
 マウンテンバイクを買った。目的は登山時アプローチでの使用だ。初めてのMTB、慣れるために前日は伊勢崎市内を約35km走り回ったが、やはりMTBは山が似合う。どこか初心者でも行けそうなところはないかと思案した結果、低山ながら眺望が良いと言われる大平山に決定した。ここは、それほど大きなアップダウンや岩場もなさそうだし、以前から春の日溜まりハイクで歩きたいと思っていた山だ。よ〜し、頑張ろう!

【山  名】  栃木 大平山(419m)
【メンバー 】  単独
【行  程】  大曲駐車場…ぐみの木峠…大平山…ぐみの木峠…晃石山…桜坂…馬不入山…登山口
        0950      1020     1030-45          1120   1145 1220-50   1310
【地  図】  栃木・下野大沢(1/25,000図)
 さて、MTBを車にどうして積むかだ。やはりそのままでは我が愛車には収まりきれない。で、前車輪を外す。まずブレーキのワイヤーを外す。次にクイックレバーで車輪を外す。いやあ、簡単だなあ。後ろの車輪も外せるが、これで積み込んでみよう。後部座席を倒すとすんなり収まった。いざ、登山口へ向け出発!

 国道50号線を経由し、カタクリの花で有名な三毳山を左に眺めながら栃木方面へ向かう。左手に大平山が見えてきた。以外と縦走は厳しそうだし凸凹もありそうだ。MTBで行けるのかなあと不安がよぎる。もし駄目だったら三毳山にしようかと弱気の虫が顔をのぞかせる。まあ、登山口まで行ってみよう。市内から神社方面へは舗装路をジグザグの登り。ここをMTBで登るのはしんどそうだなあ…


大曲り駐車場
 大曲駐車場に到着。自転車を組み立てる。これも意外なほど簡単だ。念のため駐車場を2周ほどしてみた。山で分解したりしたら大変だもんね。スムーズに動く。よし!出発。
 眼前に階段が続いていたが、これはパス。右手の舗装道路の急坂を押して登るとわずかで神社に到着。登山者がちらほらたむろしている。こんなところに自転車で来たの?と問うような視線が気になる(^-^;... まずは神社にお参りしてMTB初の安全山行を祈念する。

大平神社
 くる時に車窓から眺めた山並みに一瞬気後れしたが、行けるところまで言ってみようと登山口へ突入する。といっても最初から階段だ。まずは担いでみる。これもわずかで普通の登山道となる。ご夫婦が「まあ、自転車で行くんですか?頑張ってね」と声をかけてきた。ほとんど押しながらの登りで富士浅間神社への分岐に到着。ここらから緩やかな登りも時々現れる。そして緩やかな下り。これぞMTBの魅力、颯爽と風を切る。おっと、危ない。ブレーキをかける。前ブレーキに注意とは思っていても、つい急ブレーキとなり何度かつんのめりそうになりヒヤッとした。

大平山から晃石山、馬不入山へと歩きました


富士浅間神社(大平山頂上)
 いったん道路に出て、快適な下りで峠に付いた。ぐみの木峠だ。あれっ、すると大平山はどこ?中年夫婦がやってきたので訪ねる。「ちょっと戻って少し登ると神社があるよ、そこが山頂みたい」とのこと。いやあ、参ったね、地図は良く見なくっちゃ…と反省しまだ時間も早いので引き返す。いったん道路に出て、急な登山道となる。押して登るのも一苦労の坂だ。それに木の根っこが邪魔をする。木立の間を縫うように登りやすそうなところを進む。そしていっぱい汗をかいた頃、山頂と言われる富士浅間神社に到着。見晴らしはほとんどない。息が落ち着くまで一休み

ぐみの木峠への道
 登ってきた道を下る。もちろん乗っては下れない。ブレーキをかけながら下るがこれがなかなか難しい。ついついブレーキをかけすぎてつんのめりそうになる。そして道路に出てまたぐみの木峠をめざす。ここは快適に走る。おじさんに遭遇。「頑張るねえ、どこまで行くんだい?」「縦走しようと思うんですが、どうなる事やら…」「桜坂の下りは自転車じゃあ無理だろうから気をつけてな」と励まされる。「今日は人も多いから転んで怪我しても心配ないじゃろう、誰か助けてくれるだろうから…」とも付け加えてくれた。よっぽどよたよたと走ってる様に見えたんだろうなあ

 ぐみの木峠には数人が休んでいた。視線を感じながら数m走るとすぐに木の階段となる。ここはもちろん押して登る。そこをクリアーするとちょっと平坦な尾根道となる。こんな道はまさにMTBの醍醐味を味わえる。そしていったん少し下り、そして急な登りで三角点のある晃石山に到着。今日の最高峰419mだ。「お〜自転車で登ってきたんかい。頑張るの〜」とおじさんから声をかけてもらった。みればかなりの高齢の様子。しかし話してみると自転車のことに詳しい。フロントサスがどうの、タイヤがどうの、ブレーキが等々我が輩よりも知識が豊富。このおじさんただものじゃなさそうだ(^-^;...


桜峠 大きな山桜の木があった
 晃石山からは急な下り。いくつかのアップダウンの後、木製の手すりがある急な下りとなる。ここが今日一番の難所かなあ。もちろん乗っては下れない。狭い道は登山者がいたら迷惑するだろうなと思いながら下る。幸い登りの人2名と出会っただけだ。一方通行になっているから問題はなかった。おばさんから「凄いねえ、自転車かい」と声をかけられた。下りきると大きな山桜の木と東屋がある桜峠だ。ここで一休み。二人組が下ってきた。「桜坂、乗って下ったの?」と訪ねられる。「いやあ、ほとんどズリズリ押して下りました」と今日はいつもの山行以上に他人に声をかけられる。やはり珍しいからだろう。

 ここから小さなアップダウンの繰り返し、わずかでも乗れれば嬉しい。慣れてきたのな、緩やかな登りは上れるようになった。サドルにしっかりとお尻とつけたままでは登りにくい。立ち上がる様にしてこぐと楽だ。押して登るときは少しブレーキをかけてやると登りやすい、それと両手でハンドルを持つより、右手はサドル付近を持って押し上げたり、車体を浮かせ気味にして持ち上げたりすると登りやすい。下りは重心を後ろにずらせお尻を浮かす。フロントのサスが気持ちよく働く。これも練習だ。色々と試していると、少しづつ要領が分かってきた。前方に単独の人がいたので自転車を降り少し離れて後ろを付いていった。少しして気がつき「いやあ、悪いねえ。せっかく乗れそうなところだったのに」と恐縮していた。「いえいえ、登山道は歩行者優先、気にしないで下さい」とこちらの方が恐縮した。道をあけてくれたので颯爽とペダルをこぐ。しかしそれも束の間、そして最後の登り、ここはちょっと担いでみた。これも練習だ。急登が終わるとなだらかになった。にぎやかな声が聞こえる。

 馬不入山頂は凄い人数だ。30人くらいの中高年の団体さんだ。後で聞いたら同じ伊勢崎の住人だった。手前で降りて押して山頂着。座るところもない。端の方に行って自転車を寝かせ水を飲む。物珍しそうに沢山の人がバイクを取り囲む。そして質問責めにあった。「どこから登ってきたの?ずっと乗れた?重さはどれくらい、ちょっと持たせて。これは何?凄いねえ、高そうだねえetc」。ひとしきり、注目の的となった。同い年位のおばさんが、私もMTB持ってるんだよね。山には来たこと無いけどと言う。みんなにこにこと接してくれる。MTBで登山道走られたらで危ないとか、自然を痛めるなどと批判もあるらしいが、今日はそんな視線は全く感じなかった。興味深そうに話しかけてくれたり、励ましてくれる人がほとんどだった。


馬不入山頂上
 団体さんが下っていった。山頂は数人だけとなり静寂が戻った。ようやくベンチに座ることができた。単独の男性が登ってきた。「もしかして酒呑童子さん?」と声をかけてきた。「はい、そうですけど…」。「おひるねの森の愛読者です。」とのこと。誰だろうと走馬燈のように頭を思考回路が駆けめぐるが、今日ここに来るとは誰にも告げていないし??。掲示板等でMTBのこと読んで、もしかしたらと声をかけてくれたようです。前橋のKさんとのこと、改めて自己紹介。いやあ、こんな形での出合い、ホームページ開設者冥利に尽きると言うんでしょうね。

丸太の階段。とても乗っては下れない
 しばし談笑しまたどこかの山で出会いましょうと挨拶し、下山とする。早速急な下りです。落ち葉もたまってます。ここも押して下る。それも束の間、乗れそうな勾配となったので、颯爽と……のはずがブレーキ操作を誤りひっくり返りそうになったが、どうにかこけずにすんだ。いやあ、やばかったスピードもそこそこあるし油断は禁物。やはりヘルメットがいるかなあと思いながら下る。途中丸太の階段が続く。もちろん押して下る。下りは早かった。いったん緩やかになり、少しの登り、そして最後にまた丸太の階段となり、道路に出た。
 ここから、大平山神社までは舗装路だ。結構な距離があるがのどかな田園風景など眺めながらのんびり走る。見上げると縦走してきた山並みが見える。ハングライダーが飛んでいた。縦走中に見かけた人達だろうか?神社下からの最後の登りは結構しんどかった。途中休み休み登る。そしてにぎやからおみやげ屋の前を通り、随神門を眺め駐車場に到着した。
 
 初めてのMTB山の旅、乗ってるより押してる方が圧倒的に多かったが、坂を察そうと下る気分は最高。また山遊びに新しい魅力を発見した気分です。

写真はこちらをご覧下さい