安蘇 野峰から根本山縦走        1997年2月15日(土)晴れ時々曇り

久しぶりに里山を歩こうと思い立ち桐生方面に向かいました。程々の雪と沢山の鳥に出会え満足の歩きが出来ました。しかし思いの外、時間がかかりハードな行程となってしまいました。

石鴨バス停……野峰…丸岩岳……熊鷹山……根本山……林道……石鴨バス停
0930      1130-45 1322-32  1412-1507  1603-07  1640-45   1725


  石鴨迄は道路の凍結もなく道は狭いが快適に走行。登山道の取り付きが分からないので近くにいたおばあさんに尋ねるが「わたしゃあ登ったこと無いからねえ。でもこの山がそうだからどっからか登れると思うけど…」との返事。まあ、野峰さんからも道があるようだと聞いていたので林道を歩く。でもどこか分からない。とうとう林道終点まで来た。ちょっと右手に登れそうなところがあったので登って見る。僅かで道らしきものに遭遇。とりあえずほっとする。僅かで赤テープの目印。でも道が二つに分かれていてどっちも行けそうだ(左の方がはっきりしていた)山は右の方だからと右手に進むが途中で道が無くなった。向かいの雑木林に進もうと枯れた沢沿いを進むが倒木が邪魔して進退窮まり断念し分岐迄引き返す。

 左の方は沢沿いに割とはっきりした道が続いている。しかし雪で時々分からなくなる。沢を左に2回、そして右に1回渡りヒノキや杉の樹林帯を進む。そして雑木林となりいよいよ道が不明になる。明るい雑木林で見通しは良くそれらしき所を登る。雪は深いところで膝くらいまでだ。エナガやコゲラ、コガラ、シジュウカラが沢山見れたのでしばしバードウオッチング。やがてヤブとなりどっちに行こうかと迷うが山頂らしき尾根に向かって進む。しかしなかなか着かない。尾根に出てしばらくすると根本山方面が見えるようになってきた。しかし野峰はかなりハードだった。ただひたすら上をめざし登る。どこに出るか不安でしたが、だだっ広い頂上で野峰の標示を見つけたときはおもわず万歳しました。樹木に遮られ眺望は木々の間から望むだけだ。

 それから先は、赤い印も沢山あり迷うことはありませんでした。無くても尾根通しでよいですから不安は無い。気持ちよい尾根歩きで、オオアカゲラやコゲラ、コガラ、エナガなど沢山いました。キツツキのコンコンコン、トントントンのリズミカルなドラミングはいつ聞いても心が和む。でもよく脳震とうにならないものだ。右手に白く冠雪した山は日光白根山方面かなあ?気持ちの良い樹林帯の雪道歩きで数回上り下りを繰り返しようやく丸岩岳かと思える頃、山頂手前で突然カーブミラーが出てきてちょっと気分が良くありません。こんな所まで林道が来てるなんて信じられません。土手を必死に上りようやく山頂到着。山頂は標示はありませんが、立木に丸岩と刻まれてました。ここも眺望は無し。奈良部山への分岐ルートもありましたが、踏み後はありません。
 
 すぐ下を林道が通っているのは興ざめですが、気を取り直して熊鷹山をめざす。「え〜っ、まだあんなにあるの〜」と一人つぶやき山頂を双眼鏡で見ると人が数人居るように見える。ここらあたりは雪があったり無かったりである。カンジキは一応持っていったんですが使いませんでした。でも、深いところでは使ったほうが楽だったと思います。ただ、全く雪のないところも有るんでこまめに脱着するのが面倒で使いませんでした。雪のないところはササに足を取られちょっと歩きにくい。途中林道へ降りる分岐のところからはトレースがありほっとする。先ほど山頂に見えた人達であろう。声が下の方から聞こえる。そしてようやっと熊鷹山に到着。ここは素晴らしい眺望だ。まずは朽ちた木製の展望台に登り素晴らしい景色を満喫する。すこし靄っているが日光男体山、白根山、皇海山、袈裟丸山、赤城山がばっちりだ。勿論安蘇山々も望める。そして林道建設反対の署名簿に署名後暖かいラーメンで昼食。風もなく暖かい(約12度C)。暖かいコーヒータイムは最高の贅沢だ。(今日はビールを忘れ本当はちょっぴり心残りであったが…)

 気持ちよい山頂であるがあまりユックリもしておれない。もう15時である。まだ先は長い。トレースは有るがかなり歩きにくい。十二山を過ぎ根本山神社、ここらあたりでも鳥が多い。そして今日最後の登りである。くたびれてきたのかかなりしんどい。急な登りで何回か滑る。16時ようやく本日の最高峰到着。静かな山頂だ。眺望は樹林のため無い。温度を見ると約4度C、急激に冷え込んできたようだ。僅かの休憩で出発。根本山からは中尾根コースで下山する。こちらは殆ど雪はない。僅かで素晴らしい眺望に出会えた。野峰から縦走してきた尾根がばっちり見える。いやあ、あれを歩いてきたのかあ、人間って結構歩けるものだなあと思わず感慨に浸る。そして樹林帯に入りジグザグの下り。雪解けのせいかグチャグチャでかなり滑る。雪よりも歩きにくく何度か転びそうになるが無事林道にでる。ここでお茶時間。そして林道をひたすら歩く。途中三境山林道付近でルリビタキのような目のクルッとした鳥を間近で見ることが出来た。

 歩数約27,000歩、良く歩いたものだ。今日は沢山の鳥にも出会え雪も程々にあり満足の一日であった。コースとしては逆コースで歩いたら石鴨から野峰迄の登山路は殆ど目印もなくトレースも無いため迷ってしまう可能性があります。根本山の方は道もはっきりしており雪は殆ど無く安全に下れました。途中では野峰からの縦走路も眺められるので満足感は充分です。でも、あの山肌を走る林道の景観はちょっと異様ですね。