落ち葉踏みしめ鳴神山縦走          1995年1月15日(土)  晴れ

 鳴神山に行って来ました。山頂からの展望は申し分無かったものの、下山時のコンクリート道には参りました。

観音橋バス停…大滝登山口…水場…肩の広場…鳴神山…花台沢ノ頭…三峰山…金沢峠…バス停
9:45 タクシー   10:00      10:56  11:23   11:31-12:15  13:05    13:28   14:00   14:45


 昨日からの冷え込みで家から見える赤城山は白くなっている。もしかしたら鳴神山も……と思って出発。観音橋バス停付近に車数台止められる場所がある。私有地とのことで電話して許可をもらう。いつも登山者が頼むのであろう、「はい、空いてたらいいですよ」との返事。近くのスーパーからタクシーを呼び登山口へと向かう。登山口らしき所をちょっと行きすぎたのでバックしていたところ「ガリッ、ゴン」道が狭くちょっとこすってしまった。運転手さんあわてず「つきましたよ」10数分、\1950 で到着。

 鳥居の所で一生懸命切り返しターンしているが、このときも数回ガリッと音がしていた。狭いところに2台の車が止まっていたので大変だったみたいだ。ようやくUターンが終わり、顔を見合わせたら「気をつけて行ってらっしゃい」と声をかけていただいた。親切な運転手さんであった。

 さあ、登山開始。寒いので手袋をする。突然たっくんがアレッと言う。なんとたっくんの手袋、右手が2つ、どうにかしてはめようとしたが、スキー用の厚手のものだったので着用を断念。準備した私の確認不足でした。ごめんなさい。代わりに予備の軍手を着用する。「熊出没注意」の看板だ、たっくん「恐〜い」に「今は冬眠してるから大丈夫だよ」と安心させる。でも、本当に出ることもあるんだろうか?岩櫃山でカモシカに会ったことはあるが、まだ熊に会ったことはない。万一出会ったときはどう対処したらいいんだろう。鈴を着けようと探すが見あたらない。忘れてきたのかな。内心不安だ。

 雪が舞っている。寒くなりそうだ。タクシーに乗ってた時の会話、運転手さん「あれ?杉花粉が飛んでますよ。花粉症の人はたいへんだなあ」弘子、「杉花粉ですかあふ〜ん、大きいですねえ」なんと粉雪の為か杉花粉に見えたのは雪だったのだ。(そうだよね、今頃杉花粉の時期じゃないと思います。たぶん)でも、ここは杉が多く、花粉症の人は近づかない方がいいかもしれませんね。

 数分で、10m位あろうか「大滝」に到着。単調な杉林を登る。横を流れる沢の水は結構流れている。所々ツララが見える。20分も歩いたろうか、右手にブナの木が見えるようになる。山腹はうっすらと雪化粧で白くなっている。ここらで、所々石ころが多くなり急な登りとなる。沢の水が次第になくなった。後ろから3人の家族連れに追い抜かれる。今日はたっくんがぐずっている。まだ調子が出ないようだ。
 
約1時間で不動様が鎮座している「水場」に着いた。(水は見えなかったなあ…)あと15分との表示あり。……この表示はちょっと疑問だ、30分はかかったぞ。男の人が1人下ってきた。「頑張ってね、頂上は寒〜いですよ」と声をかけてくれた。わずかで「カッコソウ」の保護観察地についた。今の季節は何も見えない。

 今度は二人連れの中年夫婦に会った。男性「あと5分位ですよ」女性「いえ、お父さん10分位ですよ」等と励ましてもらった。どっちにしても近そうだ。肩のひろばに到着、風がゴーゴーと唸っている。ここからたっくんのペースが上がる。急坂を駆け足で登る。
 たっくんが一番で頂上に到着だ。まずは、みんなで記念撮影。幸い風が無い。360度の好展望だが北西方向の山並みが雪の為か、良く見えない。筑波山方向は白い雲青い空でくっきりと見える。特異な山容の荒船山も良く見える。甲信越の山々も山名は分からないが素晴らしい。頂上では2〜3組があっちは……こっちは……と楽しそうだ。

 妻と「あれが富士山かな?」なんてそれらしき山を指さしていたら、近くにいた人が「違いますよ。ほら、あの方向のあれがそうですよ。今ちょうど雲が左半分くらいかかってて残念だけど」「えっ、どれどれ、ふ〜ん」と教えていただいた。

 今日の弁当は、持参したコンロでインスタント卵スープを一品追加だ。暖かくて、今日のような日には最高だ。コーヒーも呑みたかったが、水切れで断念した。もう少し持ってくれば良かったなあ。スープで暖まった頃、なんと半袖、半ズボンの男性が登ってきた。たっくんびっくりしている。「寒くないんかねえ」とたっくん。男性「暑いくらいですよ」だって。走って登ってきたんでしょう。たぶん

 展望を満喫し、下山開始。同じ道を肩の広場まで戻り、そこから吾妻山方向に縦走のコースをとる。ヒノキやクリ、ナラの落ち葉を踏みしめて登り下りの稜線を快適に歩く。先ほどの半ズボン男性が走ってあっと言う間に追い抜いていった。今度はジャージを着ていた。たぶん頂上で寒かったんだろうな。私たちはユックリズムで歩く。道は整備されており分かりやすい。風も静まり日の当たるところでは爽やかだ。
 落ち葉の上に寝っ転がってみた。気持ち良い。たっくんは落ち葉スキー?を楽しんで歩いている。約40分位で急な登りになる。登りきると湯山沢ノ頭だ。5分ほどで花台沢ノ頭についた。右側の雑木が伐採されており、急斜面の山肌に吸い込まれそうだ。荒船山方向に下界が見える。前橋、高崎あたりだろう。

 石宮と神像のある、三峰山頂でひと休み。もう少しだ。案内書では、この先急降下で金沢峠とあるが、道が二つに分かれていて分かりづらい。どちらも下りになり、道ははっきりしている。方向的にはこっちだと思い切って左方向に下る。正解だった。数分して金沢方面の案内があった。直進すれば吾妻山だ。左におり金沢を目指す。
 この案内のところが金沢峠だろうか。それともさっき迷ったところだろうか?
程なくコンクリートの道に出た。結構急坂であり閉口した。延々と続いている。膝が笑っている。指の爪が痛くなる。たっくんは一人元気だ。「ママ、後ろ向きに歩いたら楽ちんだよ」と上手に歩いている。試しにやってみる。本当だ。歩きやすい。でも長くは続かない。まだかまだかとつぶやきながらひたすら歩く。

 約40分のコンクリート道歩きで観音橋バス停に到着。「あ〜あ、やっと着いた」 万歩計は17997歩を示している。ポンポンポンと3歩跳ねて18000歩とした。最後のコンクリート道のためか、3人とも感想は、「頂上からの景色と落ち葉歩きは楽しかったけど、また来たいとは思わないね」であった。でも、時間的には手頃だし、アカヤシオ、カッコソウ、ナルカミスミレも見てみたいしルートを変えてまた挑戦するかも…