カタクリはもう終わり、佐野 三毳山       1996年4月14日(日)晴れ

 カタクリの花はもう遅いかなあと思いつつ、万葉集に詠われた「万葉自然公園かたくりの里、三毳山」にいってきた。たっくんは三毳神社近辺の公園で山に登る前に疲れ果ててしまったが、コナラやクヌギの尾根歩きや、観光客で賑やかなかたくりの群生地で楽しい春の一日を過ごした。

     三毳神社…展望台…奥社…三毳の関後…三毳山…カタクリ群生地…管理センター…三毳神社
       0845         1010           1100-15  1215-1250   1300     1400  


  三毳神社の駐車場に車を止め、境内の見事に咲き誇る桜に見送られ三毳山を目指す。このあたりは大規模な公園化が進められており、真新しい設備があちこちに見られる。池に流れ込む人工の滝や案内板を見たとたん、たっくんの目の色が変わり予定では電波塔を経由するはずであったが、わんぱく広場や冒険砦でしばし時間を過ごす。汗だくになってはしゃぎ回り楽しそうだ。冒険砦の上からは日光男体山が春霞の中にぼんやり見える。今日は展望は余り期待できないようだ。

 僅かで展望台に着きキラキラと輝く渡良瀬遊水池は見えたが期待した関東平野や富士山は駄目であった。低山ながらも冬の時期で有れば素晴らしい展望が期待できそうだ。桜の咲き誇る奥社から、コナラ、アカマツ、クヌギ林の中を通り209.8mのピークに向かう。途中の開けた尾根筋にハングライダーの発進基地があったが、台を見た感じでは最初のひとっ飛びはかなり怖そうに見える。今日は誰も飛んでいなかった。ピークは360度の展望だ。ツツジが少し開花していた。北方には三角形の三毳山が綺麗だ。安蘇の山々は見えるが、先ほど見えていた男体山は見えなくなっていた。

 滑りそうな急坂を下り、僅かで三毳の関跡に到着。ここは古代七道のひとつ、「東山道」の要所であったという。東屋に座り静かに目を閉じ、小鳥のささやきを聞きながら「昔の人は車もなく移動が大変だったろうな。でも手つかずの自然を十分満喫したんだろうなあ」等と昔日に思いを馳せる。気持ちの良い林の中を
ゆっくりと登り、万葉の道と分岐し山頂に到着。
 10人位が展望を楽しんでいる。西の方には「小、大」と掲げられた山が見える(双眼鏡でだが)大小山であろう。ここも日溜まりハイクには手頃な山らしい。

 時間も早いので昼食は後にし本日のメインである、かたくりの群生地を目指し丸太道をくだる。いるいる、沢山の人が…咲いてる咲いてるカタクリの花が…でもちょっと時期が遅かったのか、色あせたりしおれたりしている。しかし県内一の規模のうたい文句通りである。色あせたとはいえ心を和ませてくれる。これも地元の人たちの保護育成のおかげであろう。駐車場からも近く簡単に見ることが出来る一面のカタクリは大切にしていきたいものである。白いニリンソウも綺麗だ。少しはずれた東屋で昼食を済まし管理センターへ下山する。これより約4kmの車道歩きで駐車場を目指す。

 途中「花センター」が有ったので寄り道する。黄色と紫、白などのスミレの花でデザインされた花壇は綺麗だ。車道歩きで残念だったのは、道路脇に捨てられた多くの空き缶類や弁当のから等ゴミの投げ捨ては目に余るものがある。可憐で清楚な花を楽しんだ直後でもあり、人間の身勝手さには呆れてしまう。自分で発生させたゴミを車に積んで持ち帰るのがそんなに大変なのであろうか。よくもまあこんなに捨てたものである。三毳山の尾根歩き中も空き缶やチリ紙類が、今まで歩いた山よりも多く感じられたが低山の宿命であろうか?

 夜、NHKBS放送で偶然花の百名山「三毳山」が放映されていた「あっ、あそこあったあった。あすこも歩いたところだ。うわあー綺麗ねえ。ちょっと時期が早いときの撮影みたいね」などと一日で2度楽しめた山であった。それと尾根で気になっていた花の名前が「ミヤマウグイスカグラ」と分かったのもBSの収穫であった。