シャクナゲはもう遅かった 袈裟丸山    1998年5月31日(日)晴れ

 シャクナゲも見頃かなと袈裟丸山を歩いてきましたが、見事からぶりでした。山頂付近にわずか名残惜しそうに咲いていましたが…今年はちょっと時期を見誤りました。

登山口……八重樺原……石祠……後袈裟丸……前袈裟丸
 0640 →  0715           0845-0855    →0920
 1215 ←  1155      1105   1040-1025    ←0955


八重樺原より袈裟丸山 先日の袈裟丸オフではツツジのオンパレードにびっくり仰天。よし、今度はシャクナゲだあと群界尾根コースから登ることにした。2年前は6月10日に歩いて満足した記憶がある。今年は早めだしちょうど良いかもと胸わくわく…
 のっけからいきなりの急登(それほどでもないが、朝一にはこたえる坂だ)を過ぎ明るい雑木林を経て気持ちの良い八重樺原着。白樺、ササや楓、ブナの中を快適に歩く。前方には袈裟丸山がまだまだ遠い。風が強く寒いくらいだ。

 もうツツジも殆ど咲いていない。シロヤシオも終わったようだ。石祠辺りからシャクナゲの木はあるものの花は全くない。蕾もない…いやあ、遅かったか残念とちょっぴり元気が無くなった。花のない山道歩きは長く感じる。あ〜あ疲れた…でもルリビタキやセンダイムシクイ、コガラ、カッコウ、ツツドリ、ウグイスが慰めてくれた。

後袈裟丸山頂
 しかし天は我を見放さなかった。後袈裟ちょっと手前になると申し訳なさそうにわずかばかりの群生で可憐な花(といっても今にも落ちそう)が咲いていた。まあ、見れなかったよりましかな(結果としてここが今日一番の見どころであった。ちょっと寂しい)、あとは前袈裟の方に期待をかける。そして後袈裟着。何の変哲もない、また展望もない山頂だ。一休みのあと「八反張、崩壊危険、通行禁止」の表示を横目に急坂を下る。(通行禁止としておきながら、ガレ場には手すりやロープが設置されている。まか不思議…誰も躊躇せず通過している)。途中紐を付けてない犬連れに遭遇、またまた不快な気分になる。万一こんなところで飛びかかられたら転落しちゃうよ〜
八反張のガレ場

 とは言っても用心が必要。ガレ場にはユキワリソウ(もしかしてハクサンコザクラ?)がちょっと時期遅れで元気ないが綺麗な姿で出迎えてくれた。イワカガミも咲いていた。赤城山の雄姿が見える。そして登り返せば更に日光方面の山々(皇海山、鋸山、庚申山、男体山etc)、上州武尊山も見える。それにたぶん八ガ岳連峰であろうか。少し雪が見える。しかし肝心のシャクナゲは寂しい限りである。花が見れず傷心の心を展望が慰めてくれる。そしてわずかで前袈裟丸山頂着。広い山頂はそこここで登山者がくつろいでいる。休んでいると小丸方面からもかなり登ってきた。

 ガイドブックでは展望良好とあるが、木々の成長のためかあまり良くない。木を切ったらよく見えるのにねえ…なんて不届きな発言をしてる人もいてちょっとびっくり。突如綺麗な笛の音色が響きわたる。縦笛であろうか?1人の登山者が気持ちよさそうに演奏している。周りで聞こえるラジオの音よりよっぽど優雅だ。これなら許せるな
そして下山開始、大展望に別れを告げ、八反張でユキワリソウを撮影する。するとまたまた先程の犬連れ、んも〜
登り返して後袈裟山頂…沢山の人で座るところもない。ちょっと奥袈裟の方まで入ってみた。こちらでは登山道に弁当広げてるグループ。ちょうどそこにはシャクナゲが咲いていた。いつかは奥袈裟、皇海山と縦走を…などと夢に描き下山開始。このころ風もなくなり暑くなってきた。

 下山途中今度はマウンテンバイクを担いだ単独行師。いやあ、これにもびっくり、殆ど乗れるところはないだろうに、人間好きなことには苦労もいとわないものだと感心する。聞くと前袈裟経由で弓の手方面へ降りるらしい。八反張を無事通過できることを祈るばかりである。八重樺原で袈裟丸連峰の雄姿を写真に撮り耳を澄ますと小鳥の声、見るとモズが枯れ木で囀っている。近くで餌をくわえたエナガが鳴いている。モズに狙われてるのかな?捕まるなよ!!

 そして暫く行くと今度はアカゲラの声、こちらも蜻蛉をくわえて木から木へ飛び回っている。私を警戒しての事であろうか?ちょっとだけ写真を撮らせてもらい早々に退散する。あとは下りを一直線。無事登山口に到着した。帰路大滝を見物した。真新しいグイ〜ンと峡谷に架けられた斜度40度はあろうかと思われる袈裟丸橋(吊り橋)、緑豊かな中に豪快な大滝と、こちらも見応えがあった。