寝釈迦コースから子丸山   1997年5月24日(土)曇りのち雨

 あいにくの雨予報、どっか近場でも行こうか……そうだ、先週歩いた袈裟丸のツツジを見に行くかと、寝釈迦コースから子丸山、そして弓の手コースで下山と急遽決定。予報通りの雨、靄の中に浮かぶツツジもそれなりに見応え有りました。

 林道分岐…寝釈迦…賽の河原…子丸山…避難小屋…子丸山…賽の河原…ツツジ平…折場
  1040   1155-1215         1410  1420-1520  1540   1610-1615        1655


 金曜日は代休を取り両神山八丁峠、そして車中泊で大ナゲシから赤岩山に行こうと目論んでいたがあいにくの雨予報で断念した。しかし、どうも心が落ち着かない。どっか行きたい。でも遠くはしんどいなあ……で、先日あまり開いてなかったシロヤシオを見に袈裟丸をめざすこととした。

 折場の登山口に着いたのが10時過ぎ、雨模様にもかかわらずかなりたくさんの車、ここからやまびこ号(自転車)で寝釈迦コースへの林道分岐をめざす。殆どが下りの約7Km(約15分)はブレーキをかけっぱなしだった。分岐からは上り坂となるのでここにデポし歩き始める。わずかで登山口、ここにも沢山の車。こんな天気の日にみんな好きだなあ…かなり水量の多い沢沿いを歩く。ニリンソウや何か分からない紫っぽい小さな花、そして念願の寝釈迦に御対面。雨に打たれながらも気持ち良さそうに寝ている。枕元にはツツジの花。よくもまあ、こんなところにこんな大きなのをつくったものだなあと感心する。ここで雨具を着込む。そして双輪塔を見に行く。これはあまり感動せず。

 そしてまた沢沿いに歩く。ミソサザイだろうか小気味よい鳴き声が聞こえる。しかし姿は見えず。木の葉が揺れ「あっ、あそこかな」と思って探すが雨滴の為あちこちで葉が揺れており全く見当がつかない。今日は小鳥発見は無理だなあと諦める。しかし程なくキセキレイが数回姿を現してくれた。丸太の登りになるとミツバツツジが現れ出す。ササやカラマツが現れるとわずかで避難小屋だ。先客2名が休んでいる。東京からきたそうだ。この小屋は木造で感じがよい。毛布や鍋等がたくさんあった。誰かが置いていったのであろうか?そしてまた単独行の男性が到着。この3名は上の避難小屋で泊まるそうだ。

 賽の河原、そして子丸山とずっと雨の中だ。展望は全くない。ツツジは相変わらず綺麗だ。そしてようやく避難小屋に到着。今日の登りはここまでだ。小屋に入ろうとすると中から犬の声、ちょっとびっくりである。犬連れの単独行者が休んでいた。最初は結構吠えられたがそのうち疲れたのかおとなしくなった。犬もこんな天気の日に連れてこられて迷惑だろうなあと思う。鉄板の屋根に落ちる雨音がうるさい。一カ所雨漏りがしている。温かいうどんと冷たいビールでしばしくつろぐ。外はかなりの雨……
 そのうちに先ほどの2組が到着。単独の人はテント泊するらしい。今夜はかなりあれそうだなと心配するが、でも、楽しいだろうなと少しうらやましい。私も泊まりたいなあとの思いを振り切り下山開始とする。

 子丸山まで登り返し後は殆ど下りばっかりだ。雨は依然降り続き道はベチョベチョ、ところによっては川みたいで靴の中はぐっしょりだ。もう歩いてる人は居ない。賽の河原では3分間、地蔵さんに挑戦。じっと雨に打たれ瞑想に耽る。気持ちよい……目前にはミツバツツジ、積まれたケルンはガスでぼんやりと幻想的だ。でも3分は結構長く感じた。石の上にも三年って大変だなあ。

 ここらあたりからは先週あまり咲いていなかったシロヤシオもだいぶ開いていた。蕾の多かったミツバツツジもかなり開いていた。雨に濡れ、ガスの中幻想的で瑞々しい花のトンネルはまた違った雰囲気で見事である。しかし見とれていると思わずズルッと滑る。下りはずるずると歩きにくい。水場の手前では2度ほど尻餅をついてしまった。眼下に谷の見えた稜線は今日は何も見えない。水の流れる音だけが響く。さあ、雨の中の歩きももう少しだ。赤いヤマツツジ、シロヤシオ、ミツバツツジとしらかんば等に見送られ折場の登山口に到着。あんなにあった車は我が愛車一台だけとなっていた。
 帰路、途中でやまびこ号を収容し、次はシャクナゲだな。今度は八重樺原コースとするか等と次なる山行に思いを馳せる