浅間隠山 2001年4月1日(日)晴れ
二度上げ峠林道より望む浅間隠山(山頂は左のピークの奥で見えない)この日は、谷川岳をめざしたのだが水上あたりから雪が降り出してきた。来る途中浅間方面は晴れていたことを思い出し急遽展望を求めて浅間隠山に変更した。
【メンバー 】 単独
【行 程】 二度上峠登山口…山頂………登山口
0915 1030-1115 1153
【地 図】 浅間隠山(1/25,000図)
谷川岳西黒尾根、早く行かなければ雪が終わってしまうと出かけた。良い天気で期待していたが水上あたりからはどんよりとして谷川方面は厚い雲のなか、そのうち雪が舞い始めこりゃあ駄目だなあとがっかりする。谷川岳はなかなか天気の変化が激しく快晴の山に巡り会えるのは数少ない。
もう下界は春。真冬ならまだしも、風雪の中展望もないのに西黒尾根を登る元気はもう無い。どうしよう…
そうだ、来る途中見かけた浅間山は快晴の中に山容を際だたせていたなあと思いだし地図を見る。それほど時間もかかりそうもないので手軽に登れる浅間隠山に登ることに変更した。
この山は以前息子と妻とで登った思いでの山である。今から思えば無謀登山だった。残雪期とはいえ妻と息子は防水性のない運動靴、それにアイゼンも無し。気温が高かったお陰で何事もなく楽しい山歩き、素晴らしい展望に家族そろって絶句したものだが、結構靴は濡れていた。反省…
そんな昔の楽しかった家族での山歩きを思い出しながら二度上峠への道を走らせる。そう言えば、あの時はノーマルタイヤのセダンでツルツル滑る林道をこわごわと走ってようやく登山口にたどり着いたものだ。今回はパジェロioにスタッドレスタイヤだ。ゆっくり慎重に走る車を追い抜き快調に登山口についた。
新雪がまぶしい。登山口には路側に沢山の車が停まっていた。ここは短時間で登れて展望もすこぶる良いことから中高年に人気の山だそうだ。西黒尾根用に持ってきたピッケルは不要だな、アイゼンは念のため持っていこう。新雪を踏みしめて沢状の樹林帯の中を登る。登山道に所々ロープが張られている。わずかで尾根に出ると樹林の隙間から山頂が望める。カラ松や笹の道は快適だ。軽井沢方面への荒れた道を分岐するとなだらかな樹林帯となり、そして急登となる。しかしそれもつかの間、わらび平方面からの道と合流すると展望も開ける。今日も浅間山は雄大だ。
時間が遅いのか、先に登った人たちはすでに下山していて、すばらしい眺めを独り占めすることができた。谷川方面は相変わらず雪雲の中だ。それに引き替えこっちは素晴らしい快晴。静かに展望を楽しんでいると賑やかな団体さんが到着した。一変して山の様子が変貌する。浅間山の姿を見て感動の言葉が隙を与えず連発する。はっきり言ってうるさいので済みの方に移動して寝っころがってたら「おにいさん、おにいさん写真撮ってもらえる?」と起こされてしまった。心の広い私は「いいですよ、どちらをバックに?」などとカメラを受け取るが、おばさん達はなかなか整列しない。
カメラを構えて私はじっと耐える。メンバーのおじさんは私の気持ちが伝わったのか「早く並んで!!」とおばさん達に声をかけてくれた。「あら、ごめんなさいね」等と言いながら急ぐ様子はない。あきれてしまい、首から下だけ撮してやろうかと一瞬心をよぎるがそんな狭い心ではこの世知辛い世の中生きていけない。笑顔でパシャッと素晴らしい浅間山をバックに思いでの一枚を撮したのだった。
浅間山への感動も薄れてきたのか、今度はお弁当の話になった。お漬けものの漬け方から話題はつきない。そんな話題を面白く耳に挟みながら私は隅の方で煙りたなびく浅間山をスケッチした。喧噪のおばさん達のグループの中にも一人スケッチを楽しんでいる人がいたので何となく親近感を持ってしまった。山はそれぞれの楽しみ方がある。でも私は静かに景色を楽しむ方が好きである。
さて、他にも沢山のグループが登ってきて山頂も狭くなったので下山する。下りはあっという間に駆け下りてしまった。
今度はゆっくり浅間隠温泉郷の方から登りたいものだ。できれば温泉に一泊などして見たいなあ
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