雨の表銀座縦走
その4
槍ケ岳山荘〜上高地
2000年9月23日(土)雨〜25日(月)晴れ槍ケ岳山荘前より 最終日ようやく晴れた!!
青空に浮かぶ槍ケ岳の勇姿を見ることなく終えるのかと思ったが、天は我に微笑んでくれた
あさっ!!
今日は早く下山したい。でも槍の山頂に登らないで下るのは心残りだ。4時過ぎに目覚め外を見るが、以前見えそうにない。このまま終わるのか…早起きの人が「三日月が出てるぞ〜」と相棒に言っている。その相棒「どこに?うっそ〜」と信じない。表に出てみる。目を凝らすとおぼろげに三日月が…なんか天気良くなりそうな予感。山荘からの下山時刻リミットは6時。展望はなくてもやはり登ろうと決意し、明るくなるのを待つ。日の出は5時半頃だそうな。
風が強い。寒い。厚手のフリースを着込み雨具の上下を着る。ヘッドランプをつけスタンバイだ。同じように単独の男性が時計を見ながら秒読み開始。5時、まだガスで見通しはないが男性が出発した。
いざ登頂
5時3分、ヘッドランプをつけ意を決して登頂開始。ガスで道がわかりにくいが数分もたたない内に東の空が何となく明るくなってきた。厳しい岩場、鉄の梯子や鎖を慎重に登る。まだ足下は暗いので道を間違わないように慎重に登る。
鉄の梯子を握る手袋がペタッとくっつく。結構冷え込んでいるんだなあ…風はやんでいた。最後のはしごを登るとあこがれの槍の山頂に到着。15分弱で到着。寒そうに単独の男性がカメラを構えている。天気は回復し遠くまで見通せる。奥穂高や常念岳、富士山もばっちりだ。
そして厳かな日の出が
山の日の出は何でこんなに荘厳な感じがするんだろうか?人生頑張ろうって気になってくる。この二日間の天気からこんなに素晴らしい日の出が拝めるとは…二人で静かに日の出を見つめる。9月25日、5時40分日の出、一日の始まりだ。
この感動を伝えようと、まだ布団の中で気持ちよく寝てるだろう妻に電話する。「素晴らしい天気、日の出だよ〜」「………」しばしピンぼけの返事の後、ようやく事の次第に気づいたのか「良かったね。下り気をつけてね」だって(^^)/~~
狭い山頂もたった二人で独占。しばし展望を楽しむ。やがてまた一人登ってきた。これで3人だ。ばしばしと写真を撮る。
岩だらけの山頂、下を覗けば高度感ばっちり。落石など起こさないように用心して写真を撮る。よく見ると落石しないようにセメントで固定しているところもある。安全上仕方ないがちょっと興ざめ
山荘前でも日の出を眺める人達が増えている。小屋の朝食は5時半とのことで日の出を見るには都合の悪い時間だ。私は朝抜きである。
さて下ろう
十分満喫した。ぼちぼち登ってくる人達がいる。混雑する前に下ろう。
刻々と変化する山肌を眺めながら下る。厳しいところは上り下りのコースが分かれているので安心だ。でも落石を起こさないように慎重に下る。混雑しているときは大変だろうなあ。
小屋前につくと、「登ってきたんですか?素晴らしかったでしょう」等と声がかかる。う〜んいい気分。
槍沢へ下山
さてあまり時間がない。荷造りして下山準備。Aさんも槍を眺めていた。機会があったらまた会いましょうと挨拶をして分かれる。
そうそう、昨日は天気よければ東鎌尾根をヒュッテ大槍まで下ろうかと思っていたが、やはり時間が遅くなるので断念した。今度は晴れてるときそこを歩きたいものだ。槍ケ岳は時々雲に隠れている。
予定では5時に山荘を出て上高地へ12時半までには着きたいと思っていたが素晴らしい日の出を見たために、6時過ぎの出発となった。車の回収に穂高駅まで戻らなければならないのでゆっくりしておれないのだ。
でもこの素晴らしい景色、急ぐばかりではつまらない。今日はデジカメと1眼レフカメラも持ってきたのだ。素晴らしいスライド写真をものにしようと、写真を撮りながら下る。
槍沢から見上げる東鎌尾根の稜線が素晴らしい。あそこを歩いたんだなあと改めて感動が胸をよぎる。
赤沢岩小屋の前で冷たい水を口に含む。う〜ん気持ちいい
横尾へ
好調な下り。ぐいぐいと下る。途中、好天に恵まれ楽しそうに登ってくる人々とすれ違う。赤沢岩小屋から横尾までは単調な下り。沢の音を聞きながら頑張って下る。
この雪解け水が麓に豊かな実りを与えてくれるんだろうな等と思いながら…道路端には鮮やかな紫色のトリカブトや黄色い花が咲いている。
河童橋
横尾の橋や建物がきれいになっていた。涸沢から降りてきた人としばし談笑。「まだ紅葉全く駄目でしたねえ、どちらから…今日はどちらへ?」等と天気が良くなったので話も弾む。
ここらあたりから観光客も増えてきた。河童橋は今日も大にぎわいだ。
ちょっと急ぎすぎたかなあ、少し足が痛い。11時に到着した。うまい具合に新島々へのバスが20分にあった。そして新島々から電車に乗り換え松本へ(上高地から2,500円)、それからJR大糸線で穂高駅(320円)にたどり着いた。
今回の山行は雨覚悟で歩いたが、最終日は好転となりほぼ満足の表銀座縦走であった。槍ケ岳山荘での山談義で聞いた、新穂高からの双六岳、鷲羽岳、黒部五郎岳、それと西穂高岳からのジャンダルム…来年の北アルプスの目標は決まった。
今年はもう一度紅葉求めて北アルプスに挑戦したい。めざすは立山、劔岳…今度の3連休が楽しみだ。
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