遂に歩いたぞ表銀座、雷鳥もお出迎え 

1998年7月18日(土)〜19日(日)晴れ

7/18 三俣登山口…前常念…常念小屋(テント泊)
    0820      1315     1500
7/19 小屋……常念岳…蝶槍…蝶が岳…蝶が岳ヒュッテ…水場…三俣
    0600  0710-0735    1050-1105   1140-1200   1325  1500


常念岳3連休である。思いっきり山を楽しもうと思っていたが何か疲れ気味…で、一日余裕を持ってゆとりの北アルプス山行となった。上高地は大混雑が予想されるので、豊科経由三俣登山口から入山することとした。先日の御座石温泉への砂埃の林道と違って快適な舗装道である。さすが北アルプス表銀座へのアクセス道路だけのことはあるなあと感心する。着いた駐車場はかなりたくさん停められる広場だがすでに満杯…えっ、こんなに多いの〜とちょっとびっくり。まあ、路側の広い場所に停めて一安心。

 登山口では計画書を出すよう管理人が促している。すこし林道を歩いて蝶が岳への道と分かれ前常念をめざす。天気は良かったが山頂付近はどうもガスっているようだ。遠くの展望も得られずただひたすら樹林帯の登りである。2,207mあたりでは「本当は展望いいんだろうね…」「まあ、登るのには暑くなくて良いよね」などとあいにくのガスを恨みながら登る。まあ、こんな日もあるさ…

 しかし長丁場である。樹林帯が終わりごろごろした岩が多くなり山の様相が変わってきた。な〜んも見えないのでどこが山頂やらさっぱり分からない。もうすぐだよ〜、いやあまだまだ先じゃないの〜と皆頑張っている。抜きつ抜かれつ岩を這い登る。おじさんもおばさんも若者も頑張っている。いいなあ、山って…そしてようやくみんながたむろしている前常念らしきところに到着。岩室があったので覗いてみる。ふ〜ん、なかなか立派だなあ。これならいざというとき頼りになりそうだ。混雑しているので更に先をめざす。

 ほんのわずかで混雑から逃れ岩の稜線に出る。この天気では常念は予定通り明日にしようと決めゆったりと休憩タイム。Mさんはトカゲになっている。と、そのときガスが切れ常念岳らしき山が姿を現した。急いで写真を撮す。一瞬で幕切れだ。いやあ、常念岳って格好いいなあとおもったのも束の間であった。でも満足。このまま明日も晴れなかったらこの思い出は貴重なものである。さあ、小屋まで行くかと腰を上げる。この登山者ではあまり遅くなるとテント場が無くなりはしないかと心配である。常念岳をトラバースするように下るが結構歩きにくい。ガスで見通しも悪いので気分的にもまだかまだかとかなり遠く感じた。途中黄色い花の群落が数カ所あった。この山って花が少ないねえと話していたところであった。常念小屋テント場


 わずかでガスの中から人声が聞こえてきた。そしてガレ場の下りにはいるとぼんやりと小屋やテント場が見えてきた。ようやく着いたみたいだ。手前のテント場はほぼ一杯だったので奥の方まで進む。斜めになった石ころの多い場所を整地する。水も買ってテント設営も完了…ようやくビール片手にくつろぎの時間がやってきた。全く景色みえないねえ等と話していたら、なんか前の方がうっすらとガスが切れてきた。おっ、山が見えるぞ!!あっ、見えた。どこだろう…そのうちにあちこちで歓声が上がる。槍ケ岳だあ、北穂だ、奥穂だあ、おう、常念岳も姿を現したぞお〜

 感動がわき起こる。こんなに素晴らしい景色が控えていたのか、いやあ、良かったなあとしばしうっとり…………で、夕日を眺め、暗くなってからは星空見物だ。満足の気持ちで就寝する。明日も天気は良さそうだ。

朝…

朝日がゆっくりと槍が岳を照らし始める。これがモルゲンロートと言うのだろうか?ゆっくりとベールが剥がれ穂高連峰が姿を現す。今日は快晴だ。今日も大パノラマを堪能できるなあと喜びもひとしおである。蝶が岳へのジグザグの登りもヘッチャらだとばかりに歩き始めるが、ここは表銀座、やはり人の波で思うように進めない。道を外れると落石の危険もあるので流れにくっついて登る。でも、このくらいの歩きの方がばてなくて良さそうだ。お陰で素晴らしい景色を心ゆくまで見ることが出来た。昨日の登りでガスっていて良かったなあとつくづく思う。昨日も今日もあの大展望ではちょっと食傷気味であろう(贅沢な悩みみたいですが(^^;

常念より穂高連峰
 そして常念岳に到着。山頂は人人人…山名板のまわりは人だかりでる。ちょっとはずれたところで一休み。いい眺めだなあ。あちこちで山座同定が始まっている。しかし八ガ岳方面は生憎雲で見えなかった。暫く休んでいると薄いベールがかかりだした。かと思う間もなく穂高連峰が今日の出番は終わりとでも言うように隠れてしまった。じゃあ、降りようか…

 雲はそれほど心配したほどでもなくすぐに山々はお出ましになった。常念からの下りは混雑と厳しい岩場のためなかなか進まない。予定時間が気に掛かり始めるがどうにもならず慎重に下る。ようやく厳しい岩場の下りも終わりほっとして振り返れば常念岳の美しい山容が微笑んでくれていた。そして途中から今度は様相を変えて樹林帯の歩きとなる。岩と木々と変化のある歩きである。太陽を遮ってくれる樹林帯はやはり助かる。ハクサンフーロやイブキトラノオ、マルバダケブキなど黄色やピンクの花が綺麗だ。そしてとんがった蝶槍に到着。ここが蝶が岳かなあと言ってる人がいる。

 一旦下り、そして登りもわずかで広々とした山頂に到着。蝶が岳の標識があった。Mさんはおばさんに囲まれ山名を教えている。記念撮影のあとヒュッテをめざす。途中、雷鳥の親子を見ることが出来た。真新しい蝶が岳ヒュッテで一休み。ビール飲もうかとMさん、まだ大分先があるが下りばかりだし…すぐにジョッキで乾杯となった。こんな山頂でジョッキを傾けられるなんて素晴らしいなあと思う反面、お金とちょっとした体力さえあればアルプス縦走も難なくこなせるような感じにとまどいを感じた。でもビールは旨い!!

 下りは蝶が岳新道経由で下る。途中黄色い花がたくさん最後に目を楽しませてくれた。それからは延々と下りが続き水場でのどを潤しただひたすら下る。そして無事到着。駐車場は昨日以上に大混雑。林道の路側にどこまでも駐車の列が絶えなかった。今度の北アルプスは紅葉時期に槍が岳か奥穂、前穂に挑戦したいなあと思いながら途中温泉に入って汗を流し帰路についた。