天を突くオベリスクは見事だ。鳳凰三山は好展望
1998年7月4日(土)晴れ〜5日(日)雨のち晴れ
7/4 御座石温泉…旭岳…燕頭山…鳳凰小屋…地蔵岳…鳳凰小屋(泊)
0720 1010 1050 1240-1315 1400-1515 1540
7/5 小屋……観音岳……薬師岳…御座石…青木鉱泉…御座石温泉
0605 0740-0800 0825-0845 0920 1140-1230 1245
去年北岳に登ったときは台風一過の快晴で素晴らしい展望に恵まれた。そのとき雲の合間からにょっきりと覗いたオベリスク。いやあ、格好いいなあ。今度は是非歩いてみたいなあと思ったものである。そして今日ようやくその時がやってきた。
国道20号から別れた林道では前を行くトラックのため砂埃で前も見えない程だ。でこぼこ道を慎重に進み御座石温泉の登山口に着いた。リポビタンデーで「ファイト〜一ッ発〜」さあ、元気を出して出発だ。天気は上々、樹林帯の登りは風もなく熱気がムンムンである。広葉樹林帯の急斜面はかなり厳しい登りだ。ようやく山頂らしくない旭岳に到着。富士山が見える。南斜面の崩れた白っぽいガレ場も壮観だ。
さあ、頑張ろう。でも暑いなあ…やがて木々の間から青空のバックに鳳凰三山が見えるようになると燕頭山に到着する。熊笹やダケカンバが気持ちよい。ここらあたりから、なだらかな歩きで甲斐駒や八ガ岳をながめながら歩く。甲斐駒の黒戸尾根、Mさん今度登ろうよ等と話しながら歩く。それにしても半端な登りではなさそうだ。
そしてようやく…本当にようやくと言った感じで鳳凰小屋に到着。元気があったら薬師岳まで行ってしまおうかなどと冗談で話していたがもう無理だ。まずはビール…そうなんです。こんなビール日和に下で買ったビールをなんと忘れてきたんです。途中で気がついたんですが、小屋で売ってるかなあとそればっかりが気がかりでよけい疲れてしまったみたいです(^^;
で、さっそく購入。テント設営の間に冷たい水で冷やす。そしてようやくビールタイム。う〜ん、旨い!!これがなくっちゃ山の楽しみも半減です。そしてくつろいだあと身軽になっていよいよ念願のオベリスクをめざす。
賽の河原までは白砂の急登でズルズルと歩きにくい。Mさんはスイスイと先を行く。私はビールが効いたのか体調が悪いのか(前日まで扁桃腺炎で喉が痛くて薬漬けの体でした)3歩進んで2歩下がる状態だ。それでもどうにかオベリスクの雄姿に誘われて賽の河原に到着。素晴らしい眺望が広がる。白砂に鎮座する沢山の地蔵尊は見物だ。天を突くオベリスクは壮観だ。よくこんな大きな岩が出来たもんだなあ、自然って凄いなあとしばし感動。そしていよいよ岩を乗り越えオベリスクの中腹まで登る。途中で気分が悪くなり、なんか冷や汗が出てきて万事休すかと思ったが暫く岩にもたれて休憩をしたら回復してきた。頑張ってMさんの待つ岩まで辿り着いた。これより上はもう無理だ。
さ、ビールビール。体調も回復したので早速ビール…そしてゆっくりと展望を楽しむ。白鳳三山、甲斐駒の山容が雄大だ。う〜ん、満足。明日歩く観音岳から薬師岳への稜線も気持ちよさそうだ。
ちょっと寒くなってきた。雲行きもちょっとおかしくなってきたのを潮に下山開始とする。賽の河原からはあれほど苦労した砂地をズルズルと難なく下りわずかで小屋に到着。夕食を済まし水割りを飲んでいたら眠くなってしまった。Mさんはすでに虫の息だ。星空でも見ようと思っていたのに眠気に負けてしまった。Mさんは夜中に起きて見たようだ。
そして朝!!天気はどんよりと今にも雨が落ちてきそうだ。案の定雨になり小屋の前に避難。雲は忙しく動き回りそれほど悪天には見えない。でも雨粒は大きい…暫く様子を見るが雨具を着込み水場の方から観音岳をめざす。心配した雨もそれほどひどくはならずぽつりぽつりとなってきた。しかしガスってて見通しはない。今日は駄目かなあ…地蔵岳との分岐あたりから晴れ間が広がってきた。こちらから見るオベリスクも素晴らしい眺めだ。以外と時間がかかってようやく観音岳に到着。北岳が指呼の間だ。今回の山行の最高点だ。朝の雨が嘘のような晴天となる。たっぷりと展望を楽しむ。ここから薬師岳までは難なくクリアー。途中遅咲きのシャクナゲが心を慰めてくれる。しかし、花の時期は終わったのか高山植物はあまり見られなかった。
薬師岳は広〜い山頂で気持ちよい。のんびりと過ごす。今回の山行の展望の見納めである。しっかりとカメラに、瞼にと焼き付ける。休憩していると同郷の人(とのこと)と出会った。日帰りとの事だ。まるでスーパーマン見たいな人である。伊勢崎から3週も続けて南アルプス通いとは恐れ入った。
これからは下る一方である。今日は体調も良い。途中びっくりするような大きな岩に遭遇…でっかいなあと暫し絶句。日の出岩である。こんな岩どっから沸いてきたんだろう。不思議なもんだ。ここらあたりは栂、ダケカンバ、カラマツ、ササ等の樹林帯で太陽を遮ってくれる。ただひたすら下りようやく林道に出る。しかしここからが長かった。途中林道から外れ吊り橋で大きな川を渡る。そして青木鉱泉に到着。ここから再度一山越えて御座石まで行かなければならない。バスもあるそうだが、まあ歩きましょうかと進んでいたら分け入る道を見失ってしまいバス停まで来てしまった。「どうしようか?」「バス見ちゃったし…乗っていこうか」となれば話は早い。あとは快適なバスの旅で御座石温泉駐車場に着いた。
今度はあの黒戸尾根から甲斐駒に挑戦したいなあ