思いがけぬ快晴白山(2,702m)
1999年8月28日(土)雨〜29日(日)晴れ
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古来より富士山、立山と共に日本三名山の一つとして知られてきた白山。いつか登りたいと思っていたが、金沢に出張となりその機会がやってきた。沢山の高山植物や穏やかな山容、山頂付近の神秘的な池など見どころ沢山の山であった。
8/28 別当出合…甚ノ助小屋…(エコーコース)…室堂(泊)
0900 1045 1245
8/29 室堂…御前峰……剣が峰…大汝峰……室堂…観光新道…別当出合
0545 0620-40 0700-10 0750-0800 0830 1040
別当出合
室堂への最短ルートとして人気の高い砂防新道登山口。JR金沢駅よりバスで約2時間、ブナの原生林の狭い道路を過ぎると休憩所のあるバス終点。一般車は少し手前まで入ることができる。この日金沢駅を出る頃は晴れていたが別当出合が近づくにつれどんよりとした空に…
そしてバスを降り、さあ出発とザックを背負ったときにザッと大粒の雨。あわてて休憩所に戻り雨具をつける。
砂防新道
吊り橋を渡り樹林帯の中を登る。雨は時々小振りとなる。風もないので傘でも大丈夫と雨具の上を脱ぐ。
人気の登山道のせいか団体さんも多い。ガスが出て展望はほとんどなく真っ白。白山って言うくらいだから仕方ないか(^_^;
ところどころ木のベンチがある。そろそろ別当谷のすさまじい崩壊地が見えるという別当出合、でも今日は何にも見えなかった。そして休憩者ごった返す甚ノ助ヒュッテに到着
エコーライン
甚ノ助ヒュッテから室堂までは沢山のコースが選択できる。予定では北アルプスも望遠できるという展望新道を登るつもりだったが、生憎のガスで真っ白。
で、お花畑コースとも呼ばれるエコーラインを登ることにした。こちらは全く歩く人はいなかった。夏なら人気のコースと思えるが、やはりこの雨とガスではみんな楽な砂防新道を選択したようだ。お陰で静かな歩きと沢山のチングルマの綿毛?を堪能できた
室堂エコーラインから砂防新道に合流する頃から快適な高層湿原となる。そしてハイマツの茂る五葉坂、このあたり「水は飲めません」の立て札が目立った。石段を登ると「えっ、もう着いたの」と言う感じで室堂の大きな建物が目に飛び込んできた。ここは平成13年まで改築中であり、素泊まりのみ、雨にも関わらず沢山の登山者で広い自炊棟はイス取り合戦さながらだった。雨でなんにも見えない室堂。白山ってどこにあるのかも分からないまま就寝
御前峰
まだ暗い4時前に出発する人もいてざわざわとなり目が覚める。雨は降ってないがガスで真っ白「ああ〜今日も駄目か…」もう一眠りしようっと…
5時半外が騒がしい。なんと太陽が雲の合間から見え隠れしている。雲の流れも速い!!
やったね。これなら晴れそうだ。急いで支度して出発。登りはじめは何も見えなかったが、途中から眼下には室堂の全景が…いやあ、あんなにでっかかったのかと感心する。山頂がちかずくにつれ青空となる。自然と足取りも速くなり、急坂をつめるとそこは奥宮の鎮座する御前峰。雲海に浮かぶ素晴らしい展望、昨日の雨がウソのようだ。展望盤の周りでは山座同定も賑やかだった。乗鞍岳、御嶽山が雲海に浮かぶ
ブロッケンの妖怪
ときおりガスがさっと流れる。山頂付近から歓声が上がる。「虹だ〜!!、ブロッケンだ」と手を回したり、足を広げたりと一生懸命自分を主張する光景は微笑ましい。しばらく自然の巨大なスクリーンで絵巻物語りを堪能した。
時折現れる剣ケ峰や大汝峰が手にとるような近さで寄っていってよとささやいている。
白山は「御前峰、剣ケ峰、大汝峰」の総称 御前峰から急な道を下ればまだ日の当たらない紺屋ケ池にでる。なんか不気味だ。見上げれば前方には岩峰の剣ケ峰が聳える。地図に登山道は記されてないが登れると聞いた。池を回り込み登るが時折吹き付ける風が強い。大人数の時は登らないほうが無難だろう。落石
要注意である。一人静かに大展望を楽しむ。下りは直接池の畔に降りる。こちらも石がゴロゴロで緊張する。
大汝峰
登るつもりじゃなかったが、この展望をみては心がうずく。バスの時間はまだ大丈夫だろう。紺碧に輝く翠ケ池を眺め真っ青な空をめざして登る。
こちらからは御前峰、剣ケ峰、そしていくつもの池と白山の全容が見れる。そして東の方には先ほど見えなかった(と思われる)槍、穂高が望めた。しばし単独行の人と山談義を楽しむ。
槍、穂高
見えますか〜
じっと目を凝らせば雲海の終点、地平線の彼方にぽっかりと見えますよ。
見えないひと…早速白山まで確かめに行こう!!
私は今年こそ、穂高の紅葉を見に行きたいと思ってますが、日程が…
白山は信仰の山
白山は高山植物も多く、その名を付けた花もたくさんありますが今回は時期がちょっと遅かったのかあまり多くは見られませんでした。
室堂の奥社社務所では安全登山や家内安全、交通安全、無病息災、その他諸々を祈願する登山者の姿も目立った。
白山は養老元年(717年)泰澄大師の開山といわれ参拝の人が絶えないと言う。
ハクサンフーロ
花の名に白山の名を冠した植物は約30種ほど有るという。これは植物学者がその山の美しさや花の多さに惹かれ早くから調査に登ったことに由来しているとのことである。
主なものでも「ハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、ハクサンシャクナゲ、ハクサンチドリ」等がすぐ思い浮かぶ。
花だけでなくmブナの原生林や、白樺も楽しむことができる
観光新道
下りは展望も良い観光新道とした。途中弥陀ケ原から望むハクサンは雄大な景観だ。そして黒ボコ岩で砂防新道と分かれる。蛇塚を過ぎ尾根道をトラバース気味に下るところは色とりどりのお花畑で足取りも軽い。とくにカライトソウのピンクとマツムシソウの紫は綺麗だった。そして急な坂を下ると殿ケ池ヒュッテに到着
最後の難所、丸太道
花の多かった観光新道、いよいよ今回の山行も終わりかというころから丸太階段の急な道となる。昨日の雨も影響もあってか、または朝露の影響か丸太が滑る。それにかなり急…思わず足に力が入る。何度かオットットと言う場面もあった。
林道に出ると冷たく気持ちよい水場が出迎えてくれる。服を脱ぎタオルを水に浸し汗を拭く。思いがけず晴天になった白山の楽しい山行は幕を閉じた