ビバークした穴

 もしかしたら戻れないかも?って思ったので道を探してる途中で泊まるところを物色していました。もしかしたら熊が冬眠しているかもしれないと心配で、しばらく外から眺めたり、ちょっと雪玉を投げて様子を見たり、入り口からおっかなびっくり覗いて臭いをかいでみたりしました。で、良し、大丈夫と意を決して中に潜り込みました。

 入り口は狭いんですが、中はちょっと足を曲げれば横になれるくらいで、高さは座るにはちょっとと言うくらいでした。ちょうどツエルトを張ったときのような3角形の感じです。床面は少し斜めで所々に石がありごつごつとしてました。入り口はザックで殆ど蓋ができるくらいで風も充分よけられました。足下にはちょっと隙間があり雪が吹き込んでましたが問題なさそうです。快適とはいえませんが(^^; 救われました。

 (99年夏、お礼登山に穴を再訪しました。夏は大分雰囲気違いますねえ)


黒い部分が入り口

防寒対策として、靴の上からビニール袋(5枚ほど持ってました)をかぶせて縛り、ザックカバーで下半身は包みました。上はあるものすべて着込みました。手袋は写真に写ってる手袋だけで予備は使いませんでした。あまり着けると反対に血行が悪くなって寒くなりそうです。で、レスキューシートにすっぽりくるまりました。電池の予備、食料、水はザックから出して身近に置いておきました。
下は石でごろごろ、結構痛いです。で、ビニールシートやタオル、バンダナなどを敷いたら少しは楽になりました。でも寝にくく何度も姿勢を入れ替えてました。おかげで朝方にはレスキューシートはあちこち破れていました。
 
一時間おきくらいに寒さで目が覚めました(というより早く朝がこないかなあと時間ばっかり気にしてました)どれくらい寝れたかは良くわかりませんが、この寒さでは寝てもたぶん大丈夫だろうとは思いました。レスキューシートにくるまっていると中は結構結露してました。
それと真っ暗なのでいろいろといらぬ心配が頭をよぎります。で、ヘッドライトは一晩中つけていました。明かりがあるとだいぶ落ち着きます。朝方ザックを押しのけ外を覗くと星空が見えました。やった〜天気は回復したぞ。これで大丈夫だと安心しました。
今度夏になったら思い出の地を訪ねてみようと思います。近くの窪地は高山植物が咲き乱れるそうですし…

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