藤村のにごり酒

信州清酒「島崎藤村ゆかりの酒」
長野県佐久市
千曲錦酒造(株)

千曲川 いざよう波の岸ちかき
やどにのぼりつ にごり酒 
にごれる飲みて 草まくら
しばしなぐさむ

千曲川旅情の歌より


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甘口
女性好みのお酒です
妻に凄く評判が良かった

北八ツ新年山行(03/01/03) 上信越道佐久IC出口の土産物店にて ¥950

千曲川旅情の歌     島崎 藤村

小諸なる古城のほとり
雲白く遊子悲しむ
緑なすハコベは萌えず
若草も藉くによしなし
しろがねの 衾の岡邊
日に溶けて淡雪残る

 あたたかき光はあれど

野に満つる香も知らず

浅くのみ春は霞みて

麦の色わづかに青し

 

旅人の群れはいくつか

畠中の道を急ぎぬ

 

暮れ行けば浅間も見えず

歌哀し佐久も草笛

千曲川いざようふ波の

岸近き宿に登りつ

濁り酒濁れる飲みて

草枕しばし慰む

 

昨日またかくてありけり

今日もまたかくてありなむ

この命なにを齷齪

明日をのみ思いわずらふ

 

いくたびか栄枯の夢の

消え残る谷に下りて

河波のいざよふ見れば

砂交じり水巻き帰る

 

嗚呼古城なにをか語り

岸の波なにかを答ふ

過し世を静かに思へ

百年もきのふのごとし

 

千曲川霞みて

春浅く水流れたり

ただひとり岩をめぐりて

この岸に愁いを繋ぐ