![]() |
藤村のにごり酒 信州清酒「島崎藤村ゆかりの酒」 長野県佐久市 千曲錦酒造(株) 千曲川 いざよう波の岸ちかき やどにのぼりつ にごり酒 にごれる飲みて 草まくら しばしなぐさむ 千曲川旅情の歌より 戻る |
甘口 女性好みのお酒です 妻に凄く評判が良かった |
千曲川旅情の歌 島崎 藤村
小諸なる古城のほとり
雲白く遊子悲しむ
緑なすハコベは萌えず
若草も藉くによしなし
しろがねの 衾の岡邊
日に溶けて淡雪残る
あたたかき光はあれど
野に満つる香も知らず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わづかに青し
旅人の群れはいくつか
畠中の道を急ぎぬ
暮れ行けば浅間も見えず
歌哀し佐久も草笛
千曲川いざようふ波の
岸近き宿に登りつ
濁り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む
昨日またかくてありけり
今日もまたかくてありなむ
この命なにを齷齪
明日をのみ思いわずらふ
いくたびか栄枯の夢の
消え残る谷に下りて
河波のいざよふ見れば
砂交じり水巻き帰る
嗚呼古城なにをか語り
岸の波なにかを答ふ
過し世を静かに思へ
百年もきのふのごとし
千曲川霞みて
春浅く水流れたり
ただひとり岩をめぐりて
この岸に愁いを繋ぐ